小説集 蔦屋重三郎の時代
2025年の大河ドラマ「べらぼう」に合わせて
蔦屋重三郎が活躍した時期に
戯作者や浮世絵師として名を成した人々を主人公とする作品を中心にした八編
この最初にある「大岡越前」(抄)
時代小説の大家による後期の長編小説の、冒頭近くの「逢わで此の世を」の1行に出てくる
蔦屋と染め抜いた書の包みを・・・
これだけで、後は蔦屋のつの蔦も出てこないのですが
良く見つけ、これをインスロダクションに使ったのもだと感心してしまいました
そして、その数ページを読んだら、この続きが知りたい、読みたい
すぐに図書館に行きました
文庫本があったのですが、
出版年は1975年
フォントは小さいし、セピア色だし
これは読めない
もう一冊吉川英治伝全集31の中に入っていました
こちらは1982年の出版
いくらか文庫より字も大きいので
こちらを借りてきました
これがもう凄く面白くて、はまってしまいました
昭和23年に雑誌「日光」に連載されていたそうです
戦後すぐの作品だったのですね
大岡越前=加藤剛
と思っていた私は
この本の前半、若き日の市十郎(後の大岡越前)の放蕩ぶりには
うっそ~
そんな!!
とびっくり
堕ちるところまで堕ちた後、どう立ち直るのかと
読みだしたらとまりません
そして、後半は名奉行になった大岡越前が描かれています
若い日の過ちを自ら裁くことになる大岡越前
さてどう裁くのか!
綱吉の悪政から吉宗へと時代が変わっていきます
そういうところもとても面白く読めました
やっぱり時代小説好きですわ