駐輪所に辿り着くと、肩に掛けたリュックからバイトで使うツナギのユニホームを取り出し、
「これを着て。」
と、無造作に差し出た。すると、彼女はうろたえながら、
「ええっ。此処で着替えるの!!」
と、拒否反応を起こした。
「そんなわけないじゃん! その上から着て! 」
少し焦っていた僕は、思わず少し強い口調で言い放ってしまったが、それがよかったのか、強気だった彼女が、急にしおらしくなって、
「えっ・・・。スカートの上から履くの? 」
と、しょぼんとしながらつなぎを観た。クールなイメージからは想像できないくらいの愚図愚図ぶりを見て嬉しくなったけれど、事態は急を要している。
「いいから早く! 」
「わかったわよ。 」
そう言って、彼女がぎごちなさそうにつなぎを足を入れている間に、僕は駐輪場の隅に放置された埃まみれのバイクに駆け寄って、バイクと共に残されたヘルメットを拝借した。
被ってみると、埃っぽい。けど、贅沢は言ってられない。シールドを上げ、振り返ると、彼女はまだ、スカートをたくし上げてつなぎに足を通しているところだった。
細い脚から見える下着。彼女と目が合う。すると、すかさず、
「あっ。今見たでしょ!下着見たでしょ! 」
と、叫んだ。
「見てない!見てない! ほら早く! 」
うやむやにするわけではないが、なんとなくごまかしてしまった。それよりも、急がなければ。
僕は彼女に駆けより、足元で、もたついている、つなぎを少し強引に引っ張り上げて、彼女の腕を袖に通した。すると、だぼだぼの袖を広げて、
「なんなのこの服。ゴワゴワして着心地悪くて仕方がないわ。」
と、ぼやいた。
「文句言うんじゃありません。ほら。こっち向いて。ジッパーをあげるから。」
信じられないくらい大胆になっている僕は、ためらいなく彼女の肩に手を置いて、僕の方に振り向かせると、ダボダボのつなぎのジッパーを首まで上げた。
「これで良し! 」
そう言うと、彼女は
「君、本当は私の下着観たでしょ? 」と問い詰めてきた。
少しめんどくさくなった僕は、「パンツなんか見てもなんとも思いません! 」
と、ぶっきらぼうに答えると、
「あなた!それはそれで、失礼よ!! 」
と、赤面してむきなった。
誰も知らない彼女の表情が露わになってゆく。僕だけしか知らない彼女がここにいる。僕はとてもうれしかった。なんて言っている場合じゃない!
「これ持って! 」
と言ってリュック渡すと、彼女はとっさに自分のカバンを無理やり僕のリュックに押し込め背中に背負った。
見慣れないつなぎ姿の彼女。一緒にバイト出来たら楽しいだろうなと思いながら、彼女にヘルメットを渡すと、ぎこちなさそうに髪を後ろに流し僕のヘルメットをかぶった。
バイクのセルを回すと一発で4サイクル単気筒のエンジンに火が入る。僕はシートにまたがり、
「乗って!」
と言うと、彼女は勢いよく車高の高いトレールバイクの後ろに飛び乗った。でもすぐに僕の背中をたたいて、
「足!足! 足はどこに載せるの! 」
と、足の置き場を聞いてきたから、僕は折畳まれた小さなステップを指差して、「それを倒して! 」と叫んだ。
「わかった! 」
呑み込みの早い彼女はそう言うと、長い脚でステップを倒し
「いいよ! 」
と言って、僕の背中を一つ、バンッと叩いた。気合いが入った僕は、
「しっかりつかまってて! いくよ!!」
と叫んで、スロットルを全開にしてクラッチをつないだ。
「これを着て。」
と、無造作に差し出た。すると、彼女はうろたえながら、
「ええっ。此処で着替えるの!!」
と、拒否反応を起こした。
「そんなわけないじゃん! その上から着て! 」
少し焦っていた僕は、思わず少し強い口調で言い放ってしまったが、それがよかったのか、強気だった彼女が、急にしおらしくなって、
「えっ・・・。スカートの上から履くの? 」
と、しょぼんとしながらつなぎを観た。クールなイメージからは想像できないくらいの愚図愚図ぶりを見て嬉しくなったけれど、事態は急を要している。
「いいから早く! 」
「わかったわよ。 」
そう言って、彼女がぎごちなさそうにつなぎを足を入れている間に、僕は駐輪場の隅に放置された埃まみれのバイクに駆け寄って、バイクと共に残されたヘルメットを拝借した。
被ってみると、埃っぽい。けど、贅沢は言ってられない。シールドを上げ、振り返ると、彼女はまだ、スカートをたくし上げてつなぎに足を通しているところだった。
細い脚から見える下着。彼女と目が合う。すると、すかさず、
「あっ。今見たでしょ!下着見たでしょ! 」
と、叫んだ。
「見てない!見てない! ほら早く! 」
うやむやにするわけではないが、なんとなくごまかしてしまった。それよりも、急がなければ。
僕は彼女に駆けより、足元で、もたついている、つなぎを少し強引に引っ張り上げて、彼女の腕を袖に通した。すると、だぼだぼの袖を広げて、
「なんなのこの服。ゴワゴワして着心地悪くて仕方がないわ。」
と、ぼやいた。
「文句言うんじゃありません。ほら。こっち向いて。ジッパーをあげるから。」
信じられないくらい大胆になっている僕は、ためらいなく彼女の肩に手を置いて、僕の方に振り向かせると、ダボダボのつなぎのジッパーを首まで上げた。
「これで良し! 」
そう言うと、彼女は
「君、本当は私の下着観たでしょ? 」と問い詰めてきた。
少しめんどくさくなった僕は、「パンツなんか見てもなんとも思いません! 」
と、ぶっきらぼうに答えると、
「あなた!それはそれで、失礼よ!! 」
と、赤面してむきなった。
誰も知らない彼女の表情が露わになってゆく。僕だけしか知らない彼女がここにいる。僕はとてもうれしかった。なんて言っている場合じゃない!
「これ持って! 」
と言ってリュック渡すと、彼女はとっさに自分のカバンを無理やり僕のリュックに押し込め背中に背負った。
見慣れないつなぎ姿の彼女。一緒にバイト出来たら楽しいだろうなと思いながら、彼女にヘルメットを渡すと、ぎこちなさそうに髪を後ろに流し僕のヘルメットをかぶった。
バイクのセルを回すと一発で4サイクル単気筒のエンジンに火が入る。僕はシートにまたがり、
「乗って!」
と言うと、彼女は勢いよく車高の高いトレールバイクの後ろに飛び乗った。でもすぐに僕の背中をたたいて、
「足!足! 足はどこに載せるの! 」
と、足の置き場を聞いてきたから、僕は折畳まれた小さなステップを指差して、「それを倒して! 」と叫んだ。
「わかった! 」
呑み込みの早い彼女はそう言うと、長い脚でステップを倒し
「いいよ! 」
と言って、僕の背中を一つ、バンッと叩いた。気合いが入った僕は、
「しっかりつかまってて! いくよ!!」
と叫んで、スロットルを全開にしてクラッチをつないだ。