硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

少年はなにを思ったのか。

2015-01-18 22:08:01 | 日記
悪戯を動画にアップし逃走まではたらいた少年がようやく逮捕された。その行動はテレビのニュースでも多くの時間を割いて報道していたが、それはある意味少年の思い描いた妄想を実現化させたのではないかと思う。しかし、少年は報道の大きさには見合わないほど社会の大きさを知らない。国家権力をあざ笑うかのようなコメントは、少年の小さな世界をよく表していたように思う。

自身の行動を動画にアップし存在を知らしめることは、自分自身は自身の力で存在しているのだという気持ちにさせるが、他者が彼の存在を承認したものではないということを少年は知らない。デジタル化され、生の反論を受けることのない、ぬるま湯に浸かりきった空虚な自我は、他者と向かい合わない限り充足させることはできない。

少年は逮捕されたことにより、生身の社会から否定されたことによって、事の重大さを知ることになるだろうと思うけれども、少年の予想通りに事を進めてしまい調子に乗せてしまったメディアにも考えなければならないことが多いように思った。