しかし、後悔はなく、むしろ、皆と同じ価値観を共有した事で孤立感が消え、不安定な気持ちを落ち着かせることが出来たのであるが、名前すら思い出せないチャラ男は、彼女の気持ちを推し量ることなく、再び不安定に陥らせた。
事の発端は、ささげた日から一か月もせぬうちに、他の女子と遊んでいる所を部活の友達が発見し、君塚明日香の下に知らされたことによるものだが、自身の眼で見たわけではない為、半信半疑のまま交際を続けていた。しかし、時間が経つにつれ目撃者は増加し、目撃者からの「あの人はやめた方がいい。」という助言を重く受け止め、彼女の不信感と苛立ちは臨界点を超えた。
迷いがなくなった君塚明日香は、チャラ男にその事を問いただすと、チャラ男は「ワリィ、そいつの事好きになっちゃったから、別れて。」と、悪びれもせず言い放った。
その瞬間、彼女の想いは液体窒素につけられた物質のように、凍結され、砕け散った。
チャラ男は彼女にとって、只の他人に変わり、もう気を使わなくてよいのだと理解し、淡々と「こっちこそ、もういいよ。」と、告げた。
そのクールさにチャラ男は戸惑っていたが、君塚明日香は、振り向きもせず歩き出し、カバンから取り出した携帯から、躊躇うことなくチャラ男の存在を削除した。
初動の躓きは、彼女の心に、好きという気持ちも、大好きな彼を失ったという喪失感も与えず、「こんなものなのか」という、気持だけを烙印してしまったのであった。
多くの少女達にとっての最初の失恋とは、神を失った信仰者のように、深い悲しみの中、新たな神が降臨するまで、荒れ野を彷徨い歩くに等しい辛いものであるが、君塚明日香の場合は、先天的に持ち得ていたクールな性格が幸いして、深手を負う事はなかった。
事の発端は、ささげた日から一か月もせぬうちに、他の女子と遊んでいる所を部活の友達が発見し、君塚明日香の下に知らされたことによるものだが、自身の眼で見たわけではない為、半信半疑のまま交際を続けていた。しかし、時間が経つにつれ目撃者は増加し、目撃者からの「あの人はやめた方がいい。」という助言を重く受け止め、彼女の不信感と苛立ちは臨界点を超えた。
迷いがなくなった君塚明日香は、チャラ男にその事を問いただすと、チャラ男は「ワリィ、そいつの事好きになっちゃったから、別れて。」と、悪びれもせず言い放った。
その瞬間、彼女の想いは液体窒素につけられた物質のように、凍結され、砕け散った。
チャラ男は彼女にとって、只の他人に変わり、もう気を使わなくてよいのだと理解し、淡々と「こっちこそ、もういいよ。」と、告げた。
そのクールさにチャラ男は戸惑っていたが、君塚明日香は、振り向きもせず歩き出し、カバンから取り出した携帯から、躊躇うことなくチャラ男の存在を削除した。
初動の躓きは、彼女の心に、好きという気持ちも、大好きな彼を失ったという喪失感も与えず、「こんなものなのか」という、気持だけを烙印してしまったのであった。
多くの少女達にとっての最初の失恋とは、神を失った信仰者のように、深い悲しみの中、新たな神が降臨するまで、荒れ野を彷徨い歩くに等しい辛いものであるが、君塚明日香の場合は、先天的に持ち得ていたクールな性格が幸いして、深手を負う事はなかった。