硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

恋物語 64

2021-06-27 20:02:30 | 日記
中高生の男子なら仕方のない事かもしれない。が、彼女にとっては、言い訳にすらならない。
LINEの内容は、君塚明日香の事が好きなのではなく、行為そのものが好きなヤリモクバカだったことを示していたのだ。

心底うんざりしてしまった彼女は、トイレから帰ってきたダメ男に向かって、「ふざけてんじゃねーよ! 」と、怒りを爆発させ、衝動的にダメ男のお尻を陸上で鍛えた足で蹴っ飛ばすと、そのまま彼の部屋を飛び出した。怒る彼女に驚いたダメ男は、突然動かなくなった車を見るように、ただ茫然と立ち尽くしたままで、彼女を追いかけようともしなかった。
数か月の間に、同じ失敗を繰り返してしまった君塚明日香は猛省し、ダメ男からの連絡をすべてガン無視し、受験勉強に専念するからと、友達とも距離をとり、自分自身に、恋愛はしないと誓い、志望校への進学を果たし、陸上に没頭していたのであるが、高校二年の夏、陸上部の先輩から告白されてしまい、再び迷いが生じた。

告白された瞬間、苦い失敗を思い出して、一度は断ったのであるが、熱心な誘いと、部活で顔を合わさなければならないという気まずさと、人となりがよくわかっている人物であった為、今度こそは大丈夫であろうと、中3の誓いを反故にしたのであった。

しかし、悲運と言うべきか、君塚明日香の恋愛は、またも暗礁に乗り上げる。
それは、夏の制服から、秋冬の制服に変わって、しばらくたった休日の出来事であった。