今日は土曜日で10時からのお風呂。明日は日曜日で何もないと思うとどこか嬉しい。
朝食後早速パソコンでクラッシック音楽を聴き始めた。僕のパソコンはヤマハで音質は良好。
寄ってチョット音量を上げて部屋中に響き渡らせる。
となると、やはり、ヴァイオリン協奏曲だ。メンデルスゾーンかチャイコフスキーだ。
ヴァイオリン奏者の顔もアップで映し出される。
よく見ると演奏中に眉間と目で指揮者と会話しているようだ。多分指揮者が「イイゾイイゾ」とサインを送りそれを受けて奏者も一層調子を出すようで音が弾んでくる。部屋から溢れた音楽が廊下にも響きチョット通る人を驚かせているかもしれない。
でも多くの人が明日が日曜日ということで、許してくれるだろうと勝手に想像している。
僕の思いは高校時代、初めてこの曲を聴いた友人の家のことを思い出している。
誘われるままに彼の家に行くと何と応接間に通され御母さんが紅茶とショートケーキを出してくださり、(註;「紅茶」と「お紅茶」を当時は使い分けていた。お部屋へ運び込まれただけで素敵な紅茶の香りがするものは「お紅茶」色は紅茶の色だが香りが全然しないものは「紅茶」と呼んでいた。
香りは
田舎者の僕は緊張して動くたびに骨がガクガク音を立てるほどだった。その応接間にはLPレコードと電蓄《電気蓄音機》と呼んでいた素敵な音楽再生装置があって、彼がお薦めのクラッシック音楽を聞かせてくれた。しばらくすると彼が「今までの曲でどの曲が一番好きか」と聞いてきたのには正直困った。
「メンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が良かった。心が震える感じがした」と随分背伸びして答えたら彼が「やはり、メン・チャイ派か!」と云ったことを覚えている。
クラッシック音楽はメンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲から好きになる人が多く、そういう人をメン・チャイ派と云うと云っていた。僕はそれ以後自信を持って「僕はメン・チャイ派でねえ」などと云っている。
今、この年になってしみじみヴァイオリン協奏曲を楽しむことができるのも彼のおかげと感謝している。(T)