それは、トヨタ佐吉の自動織機と御木本幸吉の真珠の養殖だった。
豊田は東京の工業高等専門学校かなんかに進学して、イギリスへ見学に行き、
当時イギリスが植民地のオーストラリアから羊毛を輸入してそれから毛糸をつくりそれを織物にして《洋服地》世界へ売っていたのを見て日本のこれからの在り方を考えた。
イギリスから織機を買って一宮の実家に贈ったという話だ。
帰国後その織機を改良して女工さん一人で数台の織機を担当できるように改良して「自動織機」と命名した。
一方アコヤ貝に核を植え込み真珠を造らせる方法を見つけたのは三重県の御木本幸吉だった。
資材をなげうって研究を続けやっと成功したときには貧乏のどん底だったと聞いている。
いずれにしてもこの二人が明治の日本経済を支えた。
戦後の日本を支えたのがトヨタ《自動車》と半導体《ナショナルや東芝《携帯ラジオやテレビ)に似ている。
こうした世界に先駆けた技術を育てた日本人だ。
マイナス金利などと云うインフレ政策で経済の再建を図ろうとするより、
日本の大学は明治の時代のエネルギーを失っていないか、
研究者が熱狂できる雰囲気を持っているか検証する必要があると思われる。(T 五条川の桜