ここ住宅型有料老人ホームの先生の診察があり、
「最近はどうだね」とおっしゃるので、
「理学療法士と呼ばれるリハビリの担当者がこんな半身不随の老人にあれやこれや面白くもないことをやれやれというので困っております」と云ったら、
「最近世界レベルで脳外科の研究が進んでいて我が国では京都大学の医学部の先生がいい研究をしておられてね、確かに壊れた脳細胞は少しも修復されないけれども、脳には、何もしていない元気な細胞が一杯あって、訓練していると壊れた細胞の周辺からその遊んでいる細胞への回線が繋がって、今まで遊んでいた細胞が壊れた細胞の代役をするということがわかってきたからね。リハビリも本人がやる気になって努力すれば、かなりの回復が期待できることがわかってきたからね。」とのことであった。
昼食を済ませて、家内と蓮池と呼んでいる池へ散歩に出たら、丁度1歳と2か月という可愛い女の子がお母さんと遊びに来ていてヨチヨチ歩きをしながらドスンドスンと尻餅を着きながら歩く練習をしていた。2~3ポあるくと笑いすぐまた尻餅をつく。僕は可愛い女の子を見ながら頭が下がった。
この子はまちがいなく自主トレをしている。これをしながら、脳の中の神経回路の合理化を進め、何も考えずに歩けるようになろうとしている、と思った。昔の諺にあるように
「背負った子供に教えられ!」の構図である。
明日のリハビリで真面目にやると理学療法士が「Tさん、どうしたのですか?明日は雨どころか嵐になるといけないから、休み休みやってくださいよ」と云うに違いない。と思うだけで楽しくなってきた。
シツレイシマシタ(T)
さんぽみちで 萩の花