何度も反芻しながら読み終えた本があります。
タイトルは「老舗の流儀」。
和菓子の虎屋さんの代表の黒川光博氏と
エルメス本社の前副社長をされていた齋藤峰明氏の対談をまとめた本です。
地域に密着し、お客様の暮らしを支えていく住宅会社は、
ずっとその地で継続して存在しなくてはなりません。
500年近く続く、伝統ある虎屋。
そして180年近く続く、エルメス。
こうした歴史ある企業には、ある共通の考え方や取り組みがあるのでは?
そんな期待をしながら、何度も味わって読ませていただきました。
ずっとお客様に信頼され、応援され続けてきたからこそ、
商売をずっと続けることが可能です。
これは、本書の中でエルメスの齋藤氏が次のように述べられていました。
「商品を通して企業に関心を抱き、その姿勢に共感する。
そうやって創業者の思いや働いている人の価値観に、
自然と吸い寄せられていくのです。
それが本当のブランドだと思います」
我々は、お客様に関心を抱いていただけるようなレベルで
仕事ができているでしょうか?
自分たちの姿勢に共感していただけているでしょうか?
創業者の思いを伝える発信ができているでしょうか?
働いているスタッフの価値観がお客様に伝わっているでしょうか?
ブランディングというと、ロゴやのぼり、看板を変えたり、
素敵な店舗にリニューアルしたりと、
目に見える部分を素敵にしていくことが入口のように感じますが、
実は見た目よりも中身の方が圧倒的に重要なのです。
商品のクオリティ。
スタッフの姿勢。
なぜこの商品を扱っているのかという思い。
こうしたものがお客様に理解していただけるようになるのに、
やはり時間がかかります。
ブランディングは一朝一夕にはいかないものなのです。