鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第3682回】 浴室内死亡事故がメチャ多い日本

2021年01月28日 | 住宅コンサルタントとして

1月19日に、自宅の浴室内で、

脳挫傷が原因で演歌歌手の方が亡くなられていた、

というニュースがネットで出ていました。

 

お亡くなりになった方は、本当に無念だったでしょう。

そしてまさか自宅の浴室が危険だとは、

思われていなかったことでしょう。

 

でも、こうした悲しい家庭内死亡事故は、

実は日本は先進国の中でも劇的に多いのです。

 

高齢者の浴室内死亡事故は、

人口比に換算すると、ドイツの約30倍なのです。

 

それくらい、日本の家は危険ということを

本当に日本人は知るべきかと思います。

 

その理由は、とにかく断熱性能が低すぎるからなのです。

 

高性能住宅と言えるのは、

C値1以下、UA値で0.5以下だと

個人的に思っていますが、

この数値をクリアする家は、

北海道を除けば、日本全体で10%もありません。

 

大手ハウスメーカーでもこの数値をクリアしているのは、

ぶっちゃけたった2社だけですし、

都会で当たり前の建売住宅は、

当然ながらこの数値をクリアできていません。

 

要するに、隙間だらけで、

気密工事と断熱工事が不十分な家が大半であるということ。

 

 

性能があまりに低いため、

各部屋で暖房しないと寒いので、

局所暖房をするわけですが、

この結果、リビング20℃以上なのに対して、

暖房していない浴室や脱衣室は10℃~0℃となり、

この急激な温度差によりヒートショックが起こるのです。

 

正直、コロナよりも浴室内死亡事故の方が、

年間では多いのですね。

 

こうした事故を防ぐためには、

日本の住宅の性能のレベルを高める必要があるのです。

 

ちなみに、気密断熱性能が十分な家ですと、

30坪程度だとエアコン1台、

50坪以上だとエアコン2台で

家じゅうあたたかい家にすることは可能で、

欧米とおなじように全館暖房状態となって、

冬でも本当に快適に過ごせたりします。

 

YouTubeやSNSの発達のおかげで、

ようやくこうした現実を知る人の割合も増えてきましたが、

まだまだ少ないのが現実です。

 

性能的に優れた家が増えていくことで、

家庭内の浴室内死亡事故は激減します。

 

そのために、クライアント様と共に、

良い家を日本に広めていきたいと思っています。


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