鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第3648回】 上司や先輩の力を借りて受注しても、それは自分の数字である

2020年12月25日 | 住宅コンサルタントとして

社会人になって最初に勤めさせていただいた会社では、

入社後半年間は研修期間で、

社会人としての常識や住宅を構成する部材の名称、

商品知識などを教えていただいたり、

先輩に1日、同行してOJTで学んだりしていました。

 

当時の私、1日でも早く営業デビューしたい気持ちでいっぱいでした。

 

で実際に、同期のサッシ営業担当者は、

10月よりお客様を担当することになり、

日々、注文を取ってくるようになったのですが、

私は住器セールスという部署でしたので、

サッシの営業マンが受注してきたキッチンやシステムバスが

無事に納品できるよう、見積や注文をしたり、

施工前の現調打合せをするのが仕事でした。

 

その中で営業ももちろんするのですが、

お客様は既に長年、自社を担当してくれていて、

関係が出来ているサッシの先輩営業に発注する感じで、

その事後処理担当、という感じで仕事をしていました。

 

そして悲しいことに、数字は全てサッシの営業マンにカウントされ、

住器セールスには数字がつかなかったのです。

 

営業をしたかった私は、

正直、モチベーションが上がらなくなりました。

 

知識がついて、単独でお客様のところを訪問し、

注文をいただいてきたとしても、

それはサッシ営業マンの数字にカウントされ、

しかも自分を気に入って買って下さった、とは思えない日々。

 

私は、給料分働いていない気持ちに苛まれました。

 

そのことを面倒見の良い先輩たちに相談したところ、

 

「上司や先輩の顔で注文をいただこうが、

それは自分の数字なんだよ。

お前がいなければ、工事も進まなかったり、

そもそもミスなく発注もできなかったかもしれない。

だから、自分がかかわったもの全てが、お前の売上なんだ」

 

と言っていただきましたが、

正直、当時はそう受け止められませんでした。

 

「お前に注文したい」

「お前だから発注する」

 

と言われて、営業マンはなんぼでしょ、と思っていました。

 

そしていただいた注文を誰の力も借りず、

自分で完璧に業務をこなし、クールに納品するというのが、

できる営業マンだと当時、本気で思っていました。

 

ところが、今では当時の先輩が教えて下さった言葉の意味が、

非常によく理解できます。

 

上司や先輩なんて、使い倒してこそ価値が出るのです。

 

住宅業界で仕事をされている若いスタッフさんで、

自分一人で仕事が完結できず、

上司や先輩の力を借りることに申し訳ないな、

と思っている方がいれば、声を大にしてお伝えしたいです。

 

「上司や先輩の力を借りて受注したとしたら、

それは間違いなくあなたの成果だし、あなたの実力です!」

 

あなたがお客様から好かれ、可愛がられなくては、

お客様は家づくりを自社に決めてくれなかったでしょう。

 

知識・経験は時間が解決してくれますが、

人としての魅力は、時間も解決してくれませんし、

上司や先輩もサポートできないのです。

 

だから、あなたの成績なのです。


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