鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2615回】 時間をつくる努力

2018年02月26日 | 住宅コンサルタントとして
私、メーカーの営業マン時代に仕事の基本を徹底的に学ばせていただいたと思っています。

若かりし頃に、仕事ができる先輩や上司が周囲にたくさんいて、
真似をする機会があったこと、本当にラッキーだなぁ、と思います。

その一方で、反面教師となる上司や先輩も結構いたんです。

これも大きかったな。

営業マンとして仕事ができる人の特徴は、とにかく無駄な時間を減らしていました。
そしてお客様を訪問する時間をつくっているのです。

例えば、お客様からかかってきた電話にも、良い電話と良くない電話があります。

「ちょっと見積もって欲しい物件があるんだけど・・・」
「おたくにこんな商品ってあったっけ?」

というような、新しい受注が見込める電話が良い電話。

一方、「前回、発注した商品、いつ現場に配達してくれるの?」
「明日の午後に、階段と造作材、持ってきて欲しいんだけど・・・」
「現場に入った材料、大工さんがどう施工したら良いか、分からないって言ってるから、
ちょっと現場で説明してくれるかな?」

というような、既に手配済みの商品についての質問は、
受注を最大化するという使命を持っている営業マンからすれば、
時間を取られてしまう電話だなぁ、と思っていました。
(もちろん、ご注文を下さったお客様への感謝の気持ちはありましたし、
そうした問い合わせにも真摯に対応しておりました。
あくまで、営業マンの使命から考えると、ということです、念のため)

この時間を取られる電話を何も考えず、「それも仕事」と考えている営業マンと、
「そういう電話に対応していると、あっという間に1日が終わってしまう」と気づく営業マン。

この差って大きいと思うんです。

で私、注文をした後、その注文に対する納期の電話や、
現場でどう施工すれば良いのか分からないという質問や、
どこに何が取りつくのか、現場で説明して欲しい(住宅の現場に納材される材料は、
とにかく多いので、大工さんも現場監督さんも分からないことが多い)という依頼を
ゼロにしたい、と本気で考えました。

そこで、どういう人が、どういうタイミングで何を訊いてこられるか、ということを分析しました。

「あのお客様は、施工の方法のことで電話をかけてこられることが多い」
「あの大工さんは、いつ部材が入るのか、という納期のことでよく電話がくるな」

という感じです。

納期の連絡は、私じゃなく、他の方でも出来る仕事なので、
お客様の事務員さんや社内の事務員さんに全て対応していただくように依頼し、
更によく電話をかけてこられるお客様や職人さんには、

「私だと電話に出られないことが多いので、
ウチの事務員さんで、とびっきり素敵な○○という女性スタッフを
お客様専任という形で対応させていただくように段取りしました。
今後、納期の確認や配送の変更に関しては、当社の○○にお電話して下さい」

というようなお願いをしていきました。

また施工方法やどこに何を取り付けるのか、ということに関しても、
発注後に図面に商品コードが展開されたNプランというものを
受発注センターでつくってもらうよう、交渉し、
そのNプランの見方を現場で大工さんや監督さんにレクチャーしていきました。

結果、見積と発注業務は、注文の数だけ増えていきましたが、
問い合わせの電話はほとんど鳴らなくなりました。

だから次々と新しいお客様のところに提案活動ができる時間を確保できたのです。

個人的には、いろんな方からの確認の電話に対応する時間は省略できる時間だと思います。

もっと深く言うと、お客様に確認されるような仕事の仕方をしない、ということです。

事前に「お客様が疑問に思うことは何なのか?」ということを考え、
その疑問に対して、すでに手を打っておくことが、時間を生むポイントだと思います。

そしてこういう思考で仕事をしていくと、相手の立場で仕事を見れるようになってきます。

お客様の気持ちや感じ方が分かれば、またコミュニケーションのレベルも上がりますよね?


自分の時間をつくる努力をすることで、
仕事がよりできるようになる可能性が高まります。

自分の時間をつくる努力。
皆さんはどれくらい真剣に取り組んでいますか?
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【第2614回】 忘れられ... | トップ | 【第2616回】 会議の目的 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

住宅コンサルタントとして」カテゴリの最新記事