引越しはたいへんだ。
ブンコくんが、いよいよ近くに引っ越してくる。
ピアノと本と器とCDが、それぞれ「これでもか」
というくらいあるので、それらを溝口から押上まで
引っ越してくるのは、神業みたいなことだろう。
彼は音大をでた後、一生懸命に働いて、1960年代のスタインウェイの
ピアノを手にいれた。
ちょうど、うちを改装しているときに、飯場兼飲み処になっていた
二階の奥の部屋に、一本ぶらせげて、やってきた。その酒が「帰山」(きざん)
だった。山に帰る、自然に帰る、という意味と、新しい土地で、新しいことを
始めるぼくに、ぴったりという意味を込めて、もってきた、という話がこころに
しみた。飲むと、あまりの美味さが五臓六腑にしみた。
以前、彼が「死神」をある骨董屋で開催された飲み会に、もってきたことがあり、
そのようなめづらしく美味い酒をあつかっている酒屋が、四つ木にあることを
聞き、次の日に「杉浦酒店」をたずねたのが、昨日のことのようだ。
以来、天真庵のお酒は、杉浦酒店になった。
昨日は、近所に挨拶にきたらしい。うちで蕎麦を食べた後に、トレードマーク
のデイバッグから、紙箱にていねいにつつまれた器をだし、
「これ、引越しのごあいさつがわりです」と、手渡された。
そうろうと、あけてみると、「古伊万里の蕎麦猪口」だ。たぶん江戸末期
くらいのものだと思う。彼らしい流儀みたいなものに、感謝感激。
また、押上に、不思議な奇人がやってくる。
ブンコくんが、いよいよ近くに引っ越してくる。
ピアノと本と器とCDが、それぞれ「これでもか」
というくらいあるので、それらを溝口から押上まで
引っ越してくるのは、神業みたいなことだろう。
彼は音大をでた後、一生懸命に働いて、1960年代のスタインウェイの
ピアノを手にいれた。
ちょうど、うちを改装しているときに、飯場兼飲み処になっていた
二階の奥の部屋に、一本ぶらせげて、やってきた。その酒が「帰山」(きざん)
だった。山に帰る、自然に帰る、という意味と、新しい土地で、新しいことを
始めるぼくに、ぴったりという意味を込めて、もってきた、という話がこころに
しみた。飲むと、あまりの美味さが五臓六腑にしみた。
以前、彼が「死神」をある骨董屋で開催された飲み会に、もってきたことがあり、
そのようなめづらしく美味い酒をあつかっている酒屋が、四つ木にあることを
聞き、次の日に「杉浦酒店」をたずねたのが、昨日のことのようだ。
以来、天真庵のお酒は、杉浦酒店になった。
昨日は、近所に挨拶にきたらしい。うちで蕎麦を食べた後に、トレードマーク
のデイバッグから、紙箱にていねいにつつまれた器をだし、
「これ、引越しのごあいさつがわりです」と、手渡された。
そうろうと、あけてみると、「古伊万里の蕎麦猪口」だ。たぶん江戸末期
くらいのものだと思う。彼らしい流儀みたいなものに、感謝感激。
また、押上に、不思議な奇人がやってくる。