長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

ベトナム病が治らない

2013-05-21 08:11:02 | Weblog
ベトナムで救急車で運ばれ入院した病気は完全に治ったけど、
「ベトナム病」(あう人にベトナムの話をする)は治らない、どころか
慢性の骨董病と同じような症状になってきた。不治の病だが、ここちいい。

昨日は「易の勉強会」だった。お土産に「伊佐美」を頂戴したので
、それにあうベトナム料理を一品。やはり東坡肉がいい。
黒豚と角煮とざーさいと、ベトネムで調達した「緑米」をさっと炒め
ると、アジアンな酒肴ができあがる。いうのは簡単だが、仕込みには4時間
くらい要す。

今回はじめてホーチミンにいって、最初にいったベトナム料理のお店で
でてきたのが東坡肉だったのに感激した。台湾や中国や上海なんかで食べた
それよりあっさりしていて、「これは、とんさま、だ」と独り言をいう。
茹で卵がそえてあるのがシンプルでよかった。


東坡肉は、あの中国の詩人・蘇軾(号が、東坡)が、こよなく愛した
料理なので、その名前がついた。「食猪肉」という詩が広まり、アジア
一体で「トンポーロ」と呼ばれるようになった。
東坡の意味は、彼が左遷されて隠居生活をしている場所を「東の坡(丘という意味)」
としたのが由縁らしい。
友が遠方よりきたので、普段は口にしない豚の料理をつくり、酒を酌み交わし
ながら談論風発をする。これがアジアのもてなしの基本。
TPPや手練手管の外交などいらない。そのほかに「茶」でもあればけっこう。
ホーチミンでは「ロータス茶」や「ささ茶」をちゃんと急須と茶托つきの煎茶椀
でごちそうになった。ひとりひとりの「思い」がそのあたりをうろつきだしたら、
アジアはしばらく安泰になるのではなかろうか。そんなことを今回の旅で思った。

今日は「書の会」
天安門事件の時に書の留学にいってた貞本さんがやってきて、元気に書を
する日。彼も「東坡肉」を好む。

木曜日は「ダメから始める中国語」
まいか先生も上海にしばらく住んでおられた。
ぼくたちは、島国ニッポンの生まれだけど、DNAの中には
「つかの間の旅人」の記憶が練りこまれている。