昨日は冬至を先取りしたようなお茶会が、六本木の日本料理屋の二階で行われた。
長いこと東京に住んでいるけど、昼の六本木を歩くのは初体験。着物を着て颯爽
と歩いていると、忘年会の酒が残っていて目がうつろな青年や、救急車にはこばれる青年
などを見かけた。お酒を飲むのも命がけだ。築60年の古色蒼然とした日本家屋の二階に茶室
をしつらえている。その店の主人はまだ若いのだけど、茶道具や掛け軸などもちゃんとしていて、
凛然とした空気がとてもここちよい。「茶」という日本人のモノサシをしっかりもっている人の経営
するお店は、そこにいるだけでウキウキした気分に満ちてくる。料理もお茶のお手前も、みごとで
けっこうなお茶お菓子などを、充分に堪能させていただき、まことにありがとうございました、でございました。
お茶会の後は、押上にとんぼ返りして、「押上文庫」に、義太夫の会。
ぼくより先輩連中で本牧亭あたりで講談や義太夫を謳歌してきた人たちと、忠臣蔵を楽しんだ。
もう少数派になってしまった感があるが、在日日本人の人たちと、日本酒を飲みながら談論風発。
「ああ、日本人に生まれてよかった」と痛感しながら痛飲。
今日は日曜日なので16時でおしまい。それから「蕎麦打ち」
17時から二階で、お茶会がある。京都の好日居の女主人が、売茶翁
よろしく茶道具をかかえてやってくる。型にこだわらない無手勝手流なお茶会。
とても楽しい夜になりそうだ。天真庵の常連さんが上洛する折は、必ずといって
いいくらい好日居に寄るらしい。それも「茶」がつなげてくれる縁。
今日は売茶翁を物心両面でささえた書家・亀田窮楽の茶軸を飾ろうと思っている。
池大雅の妻の、玉蘭にしようかな・・・
明日は「卵かけごはん」 営業は16時で、19時から「シャンソン」。
今年は銀座のシャンソンの老舗も店を閉じた。義太夫や講談は押上文庫、
シャンソンは天真庵、3時のおやつは文花堂(そんな店はありませんが)。