先日、無茶しぃの会のメンバーがおもしろそうな本を持ってきた。
「武士の家計簿」を書いた作家が、太田垣蓮月のことを書いた本。
同じ無茶しぃの会のメンバーに渡してほしい、というので、快諾。
まったく煎茶とか、京都の煎茶にかかわってきた文人たちのことなど興味
もなかった人たちが、そんな風に興味を持ってくれたことがうれしい。
なんとなくうれしくなって、ガラスの急須に玉露を入れようとしていたら、
織田流煎茶道の同門の女子が、「いただきものですが、おすそ分け」といって
「加茂葵」を持ってきてくれた。売茶翁がお茶道具を持ってお茶を広めた場所
であり、方丈記を記した鴨長明のゆかりの下賀茂神社の近くにある宝泉堂のお菓子。
ぼくが若いころ珈琲の修行をした「からふねや」の発祥の地でもある。下賀茂神社といえば葵祭。
加茂葵は、丹波大納言を葵の形にして供してきた。まことに懐かしくて、書の会
の時に、みんなで日本酒の酒肴にした。「あんこ」は、酒の酒肴としても最上級にある。(ただし毎日やっては、糖尿病になる)
蓮月尼といえば、絶世の京美人であり、歌人であり、蓮月焼きという自分が作った歌を、急須などにくぎで彫って
焼く手法で、煎茶の世界ではあこがれの女性。晩年は富岡鉄斎を育てた人としても知られる。
今日は、自分のお茶のお稽古。ひさしぶりに表参道にいく予定。
福島の原発の汚染水の問題やら、世界中の金融危機やら、なんやらいよいよきたかみたいなシリアの戦争やら、
浮雲急をつげるような昨今だが、「人間らしく生きる」を思うと、「お茶」の世界の先人たちに学ぶこと多しだ。
「喫茶去」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます