誰もが幼いときからポツポツと聞かれる質問に、「食べ物はなにが好き?」 というのがあります。
これを聞かれると、私はいつも答えに迷いました。
「お寿司も鰻も好き。チョコレートもケーキもバナナも桃もミカンも好き。
でも待てよ。 寿司といっても、全てのネタが好きとも言えない。
また、お腹が空いているときなら、なんでも好きといえる。
だいたい、色々なものを次々と羅列するのは、
この場合の答えとしては不適切なのではなかろうか」
そんな思いが脳裏に去来して、いつも返事に詰まっていました。
幼いときは母親が近くにいて、
「果物が好きよね」 などと助け船を出してくれました。
私は心の中で 「全部の果物が好きってわけでは…」 と思うのですが、
質問した相手 (たいていは法事などで会った親戚のおばさんだったりする) が
それで納得してくれるので、まあ、いいや…と黙りました。
大きくなると助けてくれる人はいません。
自分でも何度も聞かれるうちに、
「果たして自分が一番好きな食べ物は何だろう?」 と考えます。
口にしたとき、味が一番美味しく思えるもの。
空腹のときはもちろん、満腹でも食べられるもの。
条件抜きで、それが好きと言えるもの。
このように考えると、ある1つの食べ物に行きつきました。
そこで、ある時期からは
「食べ物は何が好き?」 と聞かれると、こう答えるようになりました。
「パセリ
」。
しかし未だに たくさんのパセリをご馳走してくださる方はいません。
それはそれで、内心ホッとしています。
なお、トップ画像は本文とは関係ありません。
先日買ったシイタケのパックに、変わったのが1つ入っていたから写真に撮っただけ。
シイタケはシイタケ。
何かに見立てたりなぞ、していません。