峰猫屋敷

覚え書と自己満足の場所

ポターとピアフ

2007年10月29日 11時02分42秒 | 映画・テレビの話

先週は映画を2本観てきました。
『ミス・ポター』  と、 『エディット・ピアフ物語』です。

『ミス・ポター』 は、ピーターラビットの作者で、1866年イギリスのロンドン生まれのヘレン・ビアトリクス・ポターの伝記映画。
生家は裕福でしたが、良家に生まれるというのは、女性にとって不自由なことでもありました。
彼女は生活に困ることはありませんでしたが、長い間独身で過ごしました。
(正式に結婚したのは、1913年、47歳のとき)

映画では初めて原稿を持って行った出版社で幸運にもすぐに出版できたように描かれていますが、昨年行った 『ピーターラビット展』(2006年08月23日記事)
では、送った原稿を6社から送り返され、自費出版からスタートしたとありました。
年表を見ると、35歳のときに自費出版しています。
その後、本は大ヒットして、ポターは後年に名を残す大作家になります。
広大な土地と多数の農場を国に寄付し、1943年 77歳で死去。


もう1本の映画、 『エディット・ピアフ物語』 は、1915年フランスのパリの路上生まれのシャンソン歌手の伝記映画。
大道芸人の父と路上で歌う母を持ち、家庭は貧しく、彼女自身 子どもの頃から路上で歌い、1935年に見出されてデビューしました。
16歳のときに子どもを産んだけれど子どもは2歳で病気により死亡。
その後、数知れない恋愛を重ねて最後は2度目の正式な結婚相手である21歳年下のテオ・サラボに見送られて1963年 47歳で死去。
4度の交通事故と薬により、身体はボロボロでした。
亡くなったときは借金がありましたが、テオ・サラボがピアフの死後も返済を続け、返し終わったときにテオも交通事故で亡くなりました。(映画ではこのことに触れていない)
ピアフの葬儀の時にはパリの交通がストップするほどで、今もなおフランスの国民的歌手として不動の地位にあります。

ふたりの共通点といえば、最愛の人を突然失っていること。
ポターは39歳のときに最初の結婚をするはずだったのが、結婚の申し出からわずか1ヵ月後に恋人が急性リンパ性白血病のために37歳で死去。

ピアフは不倫ではあったけれど、最愛の恋人であったボクシングの世界チャンピオンが飛行機事故で突然の死去。
ピアフ33歳でした。 
かの有名な 『愛の讃歌』 は、彼への愛を歌ったものです。


ポターが49歳のときにピアフが生まれているので、ふたりの生きた時代が重なるのは28年間。
イギリスとフランス そして絵と歌ということもあり、お互いの存在を知っていたかどうかはわかりません。
生まれも育ちも経歴も、全くと言っていいほど対照的なふたりの女性。

ふたつの映画を続けて観て、10月21日の『ふとその岩を飛び去んぬ』 の記事に、花水木さんがコメント欄で教えて下さった詩を思いました。


  「仏様のことば(丁度よい)」
お前はお前で丁度よい
顔も体も名前も姓も お前にそれは丁度よい
貧も富も親も子も 息子の嫁もその孫も それはお前に丁度よい
幸も不幸もよろこびも 悲しみさえも丁度よい
歩いたお前の人生は 悪くもなければ良くもない
お前にとって丁度よい
地獄へ行こうと極楽へ行こうと 行ったところが丁度よい
うぬぼれる要もなく卑下する要もない
上もなければ下もない
死ぬ月日さえも丁度よい
(以下略)


ジャンルから何から、まったく違う2人。 
しかし彼女らが残す宿命だった(と思う)芸術のためには、それぞれ必要な環境と経験だったのだと感じます。
ふたりの女性に、心から合掌。








         本文と全く関係ない余談 

昨日、車を運転してて、赤信号で止まったのー。
そしたら、後ろの車の40代前半と思われるカップルが、キスしてんのー。
左折する予定だったけど、つい、そのまま真直ぐ進んじゃったわよー。 
次は何するか、気になって気になって。
(さすがに次の道は左折したため、見届けることはできなかった) 



この女には、すっかり騙されていた

2007年10月26日 14時41分12秒 | 動物や昆虫など生き物の話

トトは、だれか人が来ると 玄関で吠えます。
トトが吠えてくれるようになってから、セールスの人も割合あっさり帰ってくれるようになったと思います。

でも、トトは私が買い物から帰ったときは吠えません。
ちゃんと飼い主とよその人の区別がつく、賢い犬です。
トトだけで留守番してるときも、きっと誰か来れば吠えてくれてるでしょう。



………と、ずっと思ってました。

あるとき、母が留守番に来てくれたあと、言いました。

「この子、家の中に誰もいないときは吠えないわよ。 
 それどころか、来てみたら こたつの中でグースカ寝てたわよ」



それから気をつけて観察してると、家に誰もいないときは吠えずに、
誰かいるときには、私にも吠えやがりました。


ひきょうものーー!


トトの秘密

2007年10月25日 14時34分02秒 | 動物や昆虫など生き物の話

今朝、トトが新聞袋に顔を突っ込んで何かしてました。




そして、前足で袋の口を閉じていました。




トトがどいたので中を覗いてみたら、食卓にあったはずの卵焼きがありました。



先日は長男の部屋でも 床に置きっ放しの服の下から、消費期限の切れたお菓子発見。
てっきり長男が夜中に食べようと思って持っていったまま忘れたのかと思ったら、
「おれじゃない」 って。
そのあと、布団の下からもまたお菓子発見。

トトは最近、あちこちに食べ物を隠します。
なんのための非常食だろう。








トト自身が非常食なのに……






NEWS ここまで進んだ? 大気汚染

2007年10月24日 09時45分41秒 | 動物や昆虫など生き物の話

先日、埼玉県のある家庭で飼っている犬が、奇妙な行動を起こした。
写真でわかるように、透明なカプセルを口でくわえ、自ら鼻に被せている。
犬の自衛本能で、大気汚染から身を守るためマスクにしているつもりなのだろうか。







「こうしてプラスチックをカジってるとね、バカな飼い主が慌ててエサをよこして取り上げるのよ。
 そんでもって、このうちのバカ息子がガチャガチャのカプセルをそのへんに放置するからさ。
 いいお金として使わせてもらうのよ」  
                            ------ トト談

ふと、その岩を飛び去んぬ

2007年10月21日 13時39分24秒 | 実家の話

10月17日、父の姉である伯母が亡くなりました。
かなりの高齢でしたが、足が少し悪いくらいで元気でした。
医者といえば歯医者しか掛かったことがなく、かかりつけの医者もありません。
薬もほとんど飲んだことが無かったと思います。

14日に美容院に行き、16日には夕食を作り、お風呂にも入り、
17日、日付が変わった夜中に、起きて腰掛けた状態で亡くなりました。
同居している従姉妹は、座ったまま寝てしまったのかと思ったそうです。
たぶん、亡くなるまでに1分とかからなかったのではないか、と言っていました。

伯母は不思議な雰囲気を持つ人でした。
お正月は毎年滞在するホテル・ニューオータニで。 夏は別荘近くのホテルで、
クレーンゲームに没頭してました。
うちの子供たちからも、『クレーンゲームのおばちゃん』 と呼ばれて、たくさんの戦利品(ぬいぐるみ)をもらいました。

また、何年も前に(後述する事情により、正確な年数は書けません)、伯母は祖父のことで某作家さんに取材を受け、それが雑誌に載ったのですが、
伯母のことを “80代半ば” と記載されていたために、すごく怒ってました。
「あたし、まだ83なのに」 と。

本人は真面目な顔でいろいろな話をするのですが、それがすごく面白い。
いくつになっても、楽しい少女のような伯母でした。

従兄弟によると、伯母が日頃から言っていた遺言が2つあったそうです。

① 悲しまないこと。
② いくつだったか、人に言わないこと。

その遺言により、享年は秘密です。


章魚庵さんのブログ  10月18日記事 『鶺鴒』 に、北原白秋の詩を見たとき、
伯母の逝き方は、まさにセキレイが ふと、飛び立つようだったと思いました。



2007年 懐かしの家電展

2007年10月14日 09時24分01秒 | ○○展の話


先週は、日頃運動不足なには、なかなかハードな1週間でした。
市内運動会の観戦のため、自転車で片道30分の小学校まで往復したり、
山の上にある高校のグランドで、1日中体育祭の写真撮ったり。(広報委員なので)

そして、疲れ切った金曜日は、母と日本橋まで遊びに行きました。 そういうときは元気。

チラシをアップしましたが、日本橋三井本館5階で開かれている、
『懐かしの家電展』 に行ってきました。
展示数はあまり多くなかったけど、懐かしい気分に浸りました。
とくに電気釜は記憶アリ。 たしかにこれと同じのを使ってました。

                

ところで、以前から母は時々、妙なことを言います。
「午前中は病院行ったんだけど、待合室で隣に座った人は○○の生まれで、戦後こっちに来たけど、どうのこうの…」

また、あるとき駅のホームで待ち合わせたときも、見ず知らずのおばさんと立って話してる。
知り合いかと思って会釈して、あとで誰? と聞いたら、
「自販機でお茶買ってたら、そっちは美味しくないから こっちがいいって教えてくれたのよ。 これから娘さんのとこに行くんだって。それからその後…」

なんで赤の他人の事情を細かく知ってる

家電展に行くとき、そのあたりの様子がよくわかる出来事がありました。

母と電車に乗ったら、3人掛けのシルバーシートがひとつだけ空いてました。
母が座り、私がその前に立っていたら、隣に座っていた60代後半~70代前半と思われる御婦人が、母に話し掛けて来ました。
「これから90いくつの母親のいる施設に行くこと」
「母の性格から、施設で周りとうまくいってないこと」
から始まり、どこそこの生まれ、若い頃のご近所の人情話、ご主人の話、エトセトラ エトセトラ……。

母は相槌打って聞き役に徹し、降りる駅に着くまでの30分間、御婦人はその人生を語ってくれました。

なるほどね~。
こうして、通りすがりの人の 事情通になるわけね~。



成沢未来氏 講演会のお知らせ

2007年10月12日 16時22分32秒 | 人のフンドシでブログを書く

短歌界の貴公子、ご近所ブログのアイドル、 mirai さん の講演会が決定しました。

              

     
詳しくは 10月8日の記事のコメント に書いて下さいましたが、
簡単に再掲します。(ぜひ、miraiさんのコメントもお読みください)


テーマは、 「患難は忍耐を生み出す」
miraiさんの生い立ちや考え方を中心に、沖縄平和問題を取り混ぜた、自伝的内容になるようです。


とき    12月2日 14:00~16:00
ところ   さいたま市民会館うらわ 7F
会費   自由献金



miraiさんには 『一等賞の旗』 と 『沖縄哀歌』 の2冊の著書があります。
当日は、サイン会もあるそうです。





『一等賞の旗』 の私の感想は、こちらです。
        
2007年01月20日記事 『成沢未来・著 『障害をみつめる十七歳 ・ 一等賞の旗』

江戸東京たてもの園 4

2007年10月08日 11時22分51秒 | 最近の出来事
江戸東京たてもの園2 で、銭湯をアップしましたが、今度は個人宅のお風呂。


 まだ新しいですね~。


 これはちょっと懐かしい。


 農家にて。
風呂というより行水。
農作業からあがったあと、そのまま土間横の木戸から入って汚れを落としたんじゃないかと思います。



               



さて、小金井公園をあとにして、私と母は そこからそれほど遠くないスーパーマーケットで買い物していくことにしました。

広い店内の一角に、カッコイイ店員さんがいました。
一生懸命働いている店員さんに、私は声を掛けました。

峰猫    「すみません」

店員さん  「いらっしゃいませぇぇ  (作業中なので下を向いたまま) 」

峰猫    「写真撮らせてもらって いいですか?」

びっくりしたように こっちを見た店員さん。
なにがなにやらわからず、にっこりしてるから、シャッターチャンス 

しかし、このとき シャッターボタンと間違えて、電源ボタンを押してしまいました。

私がオタオタするうちに 我に返った店員さん。 
また下向き加減に仕事を始めてしまいました。

「お客さ~ん。 困ります~。 」 と言われながら撮った写真がこれ。

               


(無許可掲載なので、とりあえず色だけ抜いた)



じつは甥っ子です。
迷惑そうな顔が、とってもラブリーでした。 




江戸東京たてもの園 3

2007年10月06日 11時38分47秒 | 最近の出来事

まだ続きます。
今回は、トイレ編です。 (^ー^* )フフ♪

トップ画像は高橋是清邸だったかな~。 よく憶えてないけど、超豪華なアサガオにびっくり。
足下にはスリッパ型の陶器の足乗せ台があります。


 これは一昔前は普通でしたね。


 これと…

 これは…

新しくて、今でも普通です。
たてもの園の家は、割合最近まで住んでいたものを移築したのもあるようです。


 
これも普通だけど、使用人さんのためのトイレのようでした。


 こちらは、もうちょっと古い農家のアサガオ。

 こちらも同じですが…

 も少し中まで撮影。


 農家の女性用。 スリルあります。
そういえば私の子供のころもトイレットペーパーじゃなくて、箱の中にちり紙が入ってました。
さすがに縄とか、新聞紙を揉んで使ったりはしてませんでした。


 手を伸ばして中を撮影。



江戸東京たてもの園シリーズはあと1回続きます。
次回は、お風呂場がちょっとと、 お


江戸東京たてもの園 2

2007年10月05日 17時24分47秒 | 最近の出来事

上の画像は、宮崎駿が、『千と千尋の神隠し』 のインスピレーションを得たという、子宝の湯です。

中はこんな。
   



一度は座ってみたい番台。
   



文具店の三省堂は、たくさんの引き出しがある、独特の雰囲気の店です。
『千と千尋の神隠し』 では、蜘蛛のような姿の「釜じい」の場面のモデルになったとか。








さて、他にもいろいろな家がありましたが、内部には 「開けないでください」 という札の下がっている戸がいくつもありました。

そういう戸はもちろん開けないけど、見るからに勝手に開けちゃいかんだろ。 という戸も、母は開けようとしました。
(止めたけどさ)

それから、「順路」 の立て札の向きを、勝手に変えたのも母です。
(元通りに直したけどさ)


江戸東京たてもの園は、小金井公園の中にあり、広くてとてもいい公園でした。
小さい子が走り回ったり、ジョギングしてる人もたくさんいました。

で………。
母が、「走ってる子どもの前に足出して転ばせてみようかな~」 
などと言うものだから、
私は、「小さな子どもにそんなことしようだなんて、卑怯よ。お母さん」
と、止めました。
すると、ジョギング中の男の人とすれ違い、 
「あれなら、いい?」
と聞くから、
「お母さん。 勝てる相手じゃないよ」
と諭すと、
「そうね~。 荷物が重いから、逃げ切れないかもしれないわね~」
いや、荷物の問題じゃなくて…。 
ってか、78にもなって、なんでわざわざ そんなことを考える?

江戸東京たてもの園 1

2007年10月04日 21時49分05秒 | 最近の出来事

今日は、母といっしょに 東京小金井市にある、江戸東京たてもの園 に行ってきました。

藁葺き屋根の農家や、明治~昭和の著名人の家、商家などがあって、思っていた以上に楽しめました。


 神田・万世橋交番とポスト


 傘屋と醤油屋


入園したのが、午前11時ちょっと過ぎで、出たのが午後3時でした。
食事時間や クリームあんみつ時間を含めて、たっぷり4時間遊びました。
園内には各所にシニア世代の解説ボランティアの方がいて、皆さん親切でした。


先週の土曜から急に涼しくなった関東地方。
ぐずついた天気続きだったのが、今日はよく晴れました。
驚いたのは、園内でセミが鳴いていたこと。
それも1匹じゃありません。
クマゼミかな? それにツクツクボウシ。
8月から急に11月の陽気になったかと思ったら、また8月に戻ったみたい。
まさか、地中生活6年目のセミが、あわてて出てきちゃったんじゃないでしょうね。



 江戸東京たてもの園のレポートは次回に続きます。