講座4日目、最終日のレポートです。
この日は4時間の実習の中で
たくさんの事柄に取り組みました。
まずは布を支持体とする展開について。
染織を専攻していた大学生の時
私は「光の染色」として
サイアノ(シアノ)タイプに出会いました。
当時、サイアノ技法で
140cm幅の布を染める制作をされていた
先生のお手伝いをしていた事から
様々なサイアノ展開を経験しました。
なので
サイアノについては
私の経験値はかなり高いはず。たぶん。
(笑)
参考までに
https://blog.goo.ne.jp/tipa-y/e/2368f96a7355f88cc18f30efd3450af4
布にプリントされた画像が
水中でゆらゆら浮遊する様子は
写真が幽体離脱したよう・・・。
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その後
色調の変換にも取り組みました。
上の画像、右端の青色がニュートラルな青です。
アンモニアとタンニン酸を用いて
赤茶、紫・青緑などの色調に変化させました。
色調の変換には
“ ちょっとしたコツ ” が必要。
実演を通して
そのコツをお伝えしました。
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講座後半は
個々の作品制作に繋がる作業に励みました。
デジタル写真データからネガフィルムを作成し
紫外線プリンターで露光する手順で
キャンバスに画像を印画しようとする実験は
何故か思うように画像が定着しません。
キャンバスの種類やジェッソなど
下地材の組み合わせに相性があることが判明。
結果が出るもの、出ないもの、
様々な実験結果となりました。
講座終了後も
この実験を継続されるとのこと。
サイアノ技法がキャンバスに採り込まれた絵画を
拝見できること、楽しみにしています。
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こちらは
サイアノ経験30年の私を驚かせた制作について。
露光機を使わず太陽光での制作です。
近寄って見ると・・・
このように譜面台を用いて
感光紙の角度を調整して露光。
その結果は・・・
幾何学模様が無限にできそうです。
この後、どのような展開となるのでしょうか。
可能性を秘めた実験に興味津々。
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本技法は
夏場にワークショップが多く開催されるため
夏限定なのかと思われがちですが
時間をかければ冬の太陽光でも可能です。
秋以降の制作報告を期待して
全4回の講座を終えました。
記:徳永好恵
徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。