竹取庵の鉄の蓋(ふた)は大小二つある。このうちの大きいほうが初めてレールに載った。まだ外側の骨組みだけだが、なんとなく建物が完成した時の姿を僕以外の人でも想像出来るようになった。
天文台が出来る、そういう噂が流れて久しかったみかんの丘に再びはっきりとした動きが見え始め、地区の人達の間でも話題に上るようになった。いろんな人が聞いてくる。あの鉄の枠は回るのか。枠の無い所はどうなるのか。出来上がったら何が見えるのか。その様子を見ておばさんは嬉しそうだ。おじさんが生きていれば…つくづくそう思った。
天文台が出来る、そういう噂が流れて久しかったみかんの丘に再びはっきりとした動きが見え始め、地区の人達の間でも話題に上るようになった。いろんな人が聞いてくる。あの鉄の枠は回るのか。枠の無い所はどうなるのか。出来上がったら何が見えるのか。その様子を見ておばさんは嬉しそうだ。おじさんが生きていれば…つくづくそう思った。