数日後、仕事の合間にみかんの丘に上ってみた。屋根の野地板は完成し、防水シートが張ってあった。近々板金屋さんが屋根を葺きに来ると親父が言う。雨漏りの心配が無くなった二階に上がってみた。まだ妻の取り付けられていない南の端から外の景色が見える。
みかんの丘初冬の風景。待ちに待っていたここからの眺望だった。みかんの花が咲くと、風景はどんな風に変わるのだろう。
遠くに島が見える。南風が吹けば、漏斗のような谷を通って風がこの丘にやってくる。なだらかな丘が風に勢いを付けて。
本当に大丈夫だろうか。手で持ち上げようとしたが、屋根はビクとも動かなかった。