田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

小和田の終わり・・

2008-08-26 21:10:28 | 飯田線の旅
 小和田駅がだいぶ荒廃しているとの情報が入ってきてますが、今日の新聞に小和田の記事が出ていましたので、紹介します。

-----------------------------------
 朝日新聞8月26日(火曜日)朝刊24面(生活面)
「わが家のミカタ・夏スペシャル」の記事から

(大見出し)終わりゆく二人の里
(中見出し)車近づけず、対岸からワイヤで生活物資運ぶ「超限界集落」
(小見出し)ウチの最寄りは「秘境駅」

 それは平成の秘境か、21世紀の隠れ里か。川と深い山に阻まれ、車で行くのはムリ。交通手段は、日に数本の電車だけ。生活物資は、対岸からワイヤでつり下げ、ゆらゆら届く---。そんな山奥に1件だけ残る家が、浜松市天竜区水窪町にあるんです。 夏スペシャル第2弾は、これが秘境で過ごすラストサマーになるかも知れない、80代の夫婦のお話です。
 あなたは覚えているだろうか。天竜川沿いに走るJR飯田線の小和田(こわだ)駅を。それは、1993(平成5)年の皇太子(殿下・・皇族の敬称を略すのは不敬)ご成婚ブーム。新幹線の豊橋駅から、普通電車で2時間半。前後をトンネルに挟まれたこの無人駅に、観光客がどっと押し寄せたのだ。理由は言うまでもありますまい。単に「小和田(おわだ)さん」と字が同じなだけ。
 でも、切符は17万枚以上売れ、記念の臨時列車は超満員。公募したカップルの駅前(正確には駅の下)結婚式まで開かれた。
 この小和田駅の周辺に唯一暮らす家族が、宮下茂正さん(81)と妻の繁江さん(82)だ。駅前結婚式では地元を代表して臨時駅長にも任命された。
「あの時はすごかった。ホームには人がいっぱいでね」
 でもそれは、ここが限界を超えた限界集落であることを、一時忘れさせてくれたお祭り騒ぎ。世間は熱しやすく、冷めやすい。
 今や駅前は草ぼうぼう。近くには、30年ほど前まで店や製茶工場だった廃屋が朽ちる時を待つ。だから、2人のために、駅はあるの。病院通いに買い物に、2駅先の街へ出る手段は、1日8本の電車だけ。腕時計を欠かさず、斜面に立つ(建つが正しくはないか?)自宅から細い道を15分歩いて駅へ出る。元々は天竜川上流の長野県側にすんでいた。だが、佐久間ダムの建設で水没が決まり、55(昭和30)年に家をここに移築した。当時は60世帯以上ある集落だった。茂正さんは、山でスギやヒノキを伐採。何隻ものイカダにして下流に届けた。住宅の大量建設で、林業は大忙し。下流から飯田線で戻ってきては、すぐまた山へ入った。だが当時、茂正さんが植えた木は切らずじまい。外材の輸入増などで林業は衰退。70年には22世帯に。若者は仕事を求めて街へ出ていき、続いて年老いた親たちも子供の元へ。一時は茂正さんの母、姉、弟と8人で暮らした宮下さんも、子ども3人は東京や浜松の街へ。
「でもね」と繁江さん。
「私はこの静かな山ん中がホッとする。不便なんて思ったことはないね」
ケータイは圏外。ネットは何だか、よーわからん。新聞は電車で来る郵便屋さんが家へ届けてくれるし、テレビも衛星放送で映る。炊事洗濯、畑仕事に風呂の薪割りと何でも自分でやるから毎日充実、住めば都。プロパンガスのボンベや米など重い物は、飯田線の貨車で運ばれてきた。ところが無情にも貨車は廃止に。これで危険物のガスは運べなくなったとか。仕方がないので、茂正さんは92年に天竜川(幅約90メートル)の対岸へワイヤを張った。「木を運ぶのに、昔はよく張ったもんです」月一度、雑貨屋に電話で頼むと、対岸で品物をワイヤのカゴに乗せてくれる。それが今の生活の命綱。だけど、ワイヤの足場は風雨で痛んでギシギシ、ミシミシ。川辺に置いた自家用の小舟も壊れたままだ。しかも今年、茂正さんは軽い脳梗塞を患った。ここで暮らすのはもう難しい。
 でも、心残りはなのは、今も時たま訪ねてくる観光客を迎えられなくなること。
「出会って話をするの、楽しいんだけどねえ」
その時、カタカタと山々にこだまする音が。おわっ。帰りの電車が行ってしまった。次は何と2時間後。すみませんもうちょっとお話、聞かせてもらっていいですか。

(欄外のコラム)自宅は、昭和初期に旅館だった茂正さんの実家をダム水没前に解体、ここに運んで建てたもの。
-----------------------------------

 黄色文字の部分は僕の加えた注釈。
小和田駅廃駅の噂が現実味を帯びてきた昨今、唯一の利用者である宮下さんが住まなくなったら・・・廃止されちゃうでしょうねぇ。この夏が見納めか?次の春のダイヤ改正で無くなったりして。
 今回の田切駅大掃除の旅では、久しぶりに小和田に降りる予定ですが、滞在時間を短く設定した。何しろ、うまく行程を組まないと2時間半~3時間置いてけぼりになってしまう。でも、見納めになるならそれでも良いかな。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (宇宙局長)
2008-08-26 22:12:05
皇族の敬称を書かないのはさすが朝日クオリティと言ったところですか。
それはさておき、小和田駅廃止が現実味を帯びてきましたね。今度の訪問がラストチャンスになるのでしょうか?来年のことを話すと鬼が笑いますが、冬掃除の時にでもゆっくり訪れますか?
小和田って保線の詰め所ありませんでしたっけ?
返信する
Unknown (副部長)
2008-08-26 22:29:45
 保線関連の倉庫とかあるよ。その点が唯一救いではあるんだが、小和田にある必要があるのかはJR関係者ではないので分かりません。あと、駅が無くなるなら、小和田神社も何とかしないとなりませんね。
返信する
Unknown (宇宙局長)
2008-08-26 22:38:50
小和田神社は山道を歩いて40~50分かかる集落の人たちが世話してくれればいいんですがねえ。
返信する

コメントを投稿