田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

冬の大掃除4

2010-02-15 16:46:00 | 飯田線の旅
 糸魚川駅に帰ってきた。南小谷から同じ気動車で来た撮り鉄が何人もホーム上にいて撮影を楽しんでいる。しかし、あの朝1便のラッシュ騒ぎが嘘のように閑散としている。これが大糸線最深部の本来の姿なのだろう。朝一の騒ぎは、僕らと同じルートでML信州の利用客が北に抜けるのと、夜行能登などの利用客が南に抜けるのが重なったのだと思われる。廃止約3ヶ月も前でこの騒ぎだから、この記事がUPされる時分は更に大変な事になっているのだろう。

 大糸線ホームの上屋。柱に古いレールを再利用している。車両だけでは無くこのような駅施設も注意して見ると面白い発見がある。


 糸魚川~南小谷間は気動車の単行だからトイレが付いていない。約1時間の行程だから、乗り通す人は注意が必要だ。こんな看板が大きく出ているのだから、これに至る間にいろいろと問題があったんだろうなぁ。


 ホーム上にあった観光案内の看板。確かにV字谷に沿った風光明媚な路線だが、それが故に天災には弱く、台風などの大雨で何度も断線した。その度にそのまま廃線か?と心配したが、まだ生き残っている。看板向こうの測線に僕らが乗ってきた朱色の気動車が休んでいる。


 古い煉瓦造りの車庫。見ての通り3両収納できる。これが北陸新幹線開業までに破壊される計画なのだそうだ。この手の近代工業遺産である建物は、意外と軽視されていて知らない間に破壊されることが多い。これなども貴重な建物なのだから、文化財として移築保存できないのだろうか?


 南小谷の帰る車両が入線してきた。同じ気動車でも塗色でだいぶ印象が違う。ホーム上から超広角19ミリで寄って撮ったので、だいぶ変形してますね。純粋な撮り鉄はこのように列車が歪むのを毛嫌いしているようだけどどうなんだろう?例の京浜東北線209系最終日に浦和駅ホームの先端で中学生の撮り鉄が、そんな事を声高に語っていたんだが。


 車内。あのぎゅーぎゅー詰め騒ぎが嘘のように空いている。運転席後ろに観光パンフレットが置かれているのが、何ともローカル線の風情だ。


 運転席すぐ後ろのガラスに張ってあったお知らせ。字が潰れかかっているけど何とか読めますね。仮に進退窮まって運転士に泣きついた場合、どのような処置をしてくれるのだろうか?せいぜい次の駅で、トイレの時間を少し待ってくれる程度ではないだろうか。或いは秘密の機能が備え付けられているのか??謎は深まる。


 これから来た道を引き返す。南小谷で乗り換えて次の目的地は海ノ口だ。

冬の大掃除3

2010-02-11 10:30:00 | 飯田線の旅
 最果て感満載の無人駅「親不知」の侘びしさをもう少し紹介しておこう。
 日本海の面した駅で、線路のすぐ外側は海だ。ただ、海の中に橋脚を立てて自動車道が頭上を横切っているのが視界を遮る。この道は海の上を走っているわけだ。荒波が橋脚を直撃して大きな飛沫が上がるたびに重低音が響く。車も滅多に通らないので、波の音の他に音がない。暖冬のせいかはたまた温暖化の影響か?雪が少ない。


 ホーム上の駅名看板。これで「おやしらず」と読む。一応難読駅名だろう。


 無人化した駅舎。かつては駅員がいてそれなりに賑やかだったのだろう。辛うじてジュースの自販機があり、温かいコーヒーで暖を取る。


 閑散とした待合い。天井の蛍光灯が4本放射状に傾斜を付けて取り付けられているのがお洒落だが、果たして何人が気づくと言うか見るのだろう。

 
 駅舎外の路上にあった観光案内の看板。海風でボロボロだが読めるかな?
陸側が急な崖の連続で、目の前がすぐ荒海。平地が無くてかつては交通の難所だった。


 ホームは島式が1面2線で幅も狭い。でも一応方面の案内がペンキで描かれている。


 帰りの電車が入ってきた。これに乗って糸魚川まで戻るのだ。


冬の大掃除2

2010-02-11 09:36:00 | 飯田線の旅
 白馬から南小谷に向かう始発を見送り、次の便に乗る。どちらに乗っても南小谷で同じ糸魚川行きに乗り換えることになるので、何もない南小谷で長時間つぶす羽目になるより、多少開けている白馬で暖を取る方を選んだ訳だ。慌ただしく始発で南小谷に行く客も多かったのだが、彼らにはそれなりの思惑があったのだ。
 2便で南小谷に着く。乗り継ぎ便の出るホーム上は既に客であふれかえっている!?彼らは始発で来た客達だった。大糸線はここ南小谷以南が電化区間で、これより北の糸魚川までは非電化区間である。当然のように気動車が走っている。ここまで電車2両編成×2便で運ばれた客のほとんどが1両だけの単行気動車に乗り換えだ。始発で早々と来た客はこの状況を見越して席確保のために来ていたのだ。
 こんなウルトラドローカルな路線に、いかに青春18切符の時期とはいえ、これほど客が集中するとは予測していなかった。これがつまり葬式騒ぎだったのだ。気動車が3月で廃車になるのだという。僕らはこんな葬式騒ぎとは無関係に、元々この区間の乗りつぶしを単純に考えていただけに困惑してしまった。


 乗り継ぎの単行気動車が入ってきた。かつてはこんな古めかしい気動車なんか全国至る所に走っていたのだ。今では本州のJRはこれが最後らしい。入ってきた車両も都会の通勤ラッシュ並みの満員だ。これに電車4両分の客が入れるのか???う~ん不安だ。


 何とかホーム上の客は全員入ることが出来た。やはり通勤電車並みの混雑状況だ。僕らは車両の前部運転席のすぐ後ろ付近になんとか立っていられる場所を確保できた。出発まで少し時間があるので車両の記念撮影。多くの鉄道写真ファンが、大きなカメラ機材&大きな三脚を持ち込んでいるので、只でさえ狭い上にもとても窮屈である。


 糸魚川までぎゅーぎゅーの車内に立ちっぱなしで1時間。余りよい旅の思い出ではないが、葬式騒ぎに立ち入ったのだから仕方有るまい。糸魚川からは同じ行程を引き返すのだが、時間の余裕が結構あるので、親不知(おやしらず)まで往復する計画だ。乗り換えた車内もそこそこの乗車率で席はほぼ埋まっている。だが、さっきまでに比べたらがらがらも同然だ。部長もほっと一息。


 親不知に着きました。小さな無人駅出回りに何もない。目の前はすぐに荒々しい日本海。波濤が「どっど~ん」と大きな音で押し寄せていて最果て感が盛り上がる。