プクプク日記 観劇 映画 落語 スポーツ観戦 読書の日々

今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

岡崎京子原作 門脇麦主演「チワワちゃん」

2019-02-13 10:48:52 | 日記
渋谷HUMAXシネマで上映中の「チワワちゃん」です。
門脇麦主演。チワワちゃんを吉田志織という女優さんが演じています。
さらに、チワワちゃんの恋人役として、成田凌 浅野忠信 ファッション雑誌のライター役で栗山千明らが出演しています。

映画は、千脇良子という20歳の看護学生が、東京湾でバラバラ死体となって発見されたというニュースから始まります。愛称チワワ。かつて、ミキ(門脇)が、夜毎遊んでいた女の子でした。ミキは、ライターのユーコ(栗山)から取材を受けたこともあり、当時の仲間に、チワワの話を聞いてまわります。
その結果 浮かんできた 彼女の「素顔」は•••

彼らが知り合ったのは、たむろしていたミュージックバー。ヨシダ(成田)にナンバされて連れられてきたチワワ。
その夜 彼らはバーテンダーのシマ(成河)に唆されて、バーの客から大金の入ったバッグを盗みます。
実行したのは、チワワ。翌日 その客は贈賄罪で逮捕され、大金は、彼女たちのものに。
大パーティの始まり。

こうして始まった彼らの付き合いですが、群を抜いて可愛かったチワワだけは、一人で別世界へ旅立っていきます。付き合う男も、ヨシダから有名カメラマンのサカタ(浅野)へ。
が、可愛さは十分ですが、頭のほうは、いまひとつの彼女 段々身を持ち崩していきます。
付き合う相手も悪くなり、そのせいなのか、とうとう非業の最期を迎えてしまう。

チワワを中心とした若者たちの生態を描いた映画。
この歳になって 観てみると、やっぱり
「若気の至り」
ということなんでしょうかね


ボクシング映画の傑作 ロバート•ワイズ監督「罠」

2019-02-12 10:43:31 | 日記
シネマヴェーラ渋谷で上映された「罠」です。
ロバート•ワイズ監督の作品。後に「ウエスト•サイド物語」を撮った監督です。
72分の上映時間。映画のなかでも同じ時間が経過するというところがミソ。
このわずかな時間の間に、ロバート•ライアン扮する中年ボクサー•ビルの人生が、一変してしまうという なんとももの悲しい映画でした。

うらぶれた場末の会場。
来る客も、どこか身を持ち崩した感じの人間が目立つ。
入場料も、それ相応の安さ。
ビルが、妻と泊まるホテルも、お世話にも立派とはいえないところ。
会場の控え室にいるボクサーたちも、将来への希望を失ったように見える連中が多い。
そんな 二流 三流感満載のなか、映画は進んでいきます。

会場に向かう前、ビルは妻に、将来のことなどを熱く語り、試合を観に来るよう勧めます。
が、既に35歳。ボクサーとしての盛りを過ぎた彼の身を案じる妻は、心配で観に行くことが出来ない。
一人で会場に向かうビル。
一方、ビルのマネージャーは 八百長を持ちかけられている。
今日の対戦相手は、若手ボクサー。
話を受けるマネージャー。
が、どっちに転んでも負けると決めつけていたので、ビルに話は伝えていない。
何も知らず、必死に闘って 勝利をおさめたビル。
が、リングを降りると マネージャーの姿がない。
困惑するビルの前に、約束を破られた男たちが立ち塞がる。

訳を話すビルですが、当然 彼らは聞く耳を持たない。
ビルの帰りを待つ妻がいるホテルは、目と鼻の先。
が、ビルには、とてつもなく長い距離で・・・
というお話。

非常にシンプルですが、よくできた映画でした。
さすが、ロバート・ワイズ作品です。

グレン•クローズにオスカーを! 「天才作家の妻」

2019-02-11 11:41:04 | 日記
角川シネマ有楽町で上映中の「天才作家の妻-40年目の真実-」です。
グレン•クローズが、夫の天才作家の「影」として、支え続けてきた軌跡を描いた作品。

表情で、心の動きを表す 素晴らしい演技でした。

彼女が演じるのは、ジョーンという女性。
大学生時代に 教師だったジョゼフ(ジョナサン•プライス)と出会い 結婚。
最初は、不倫でした。
その後 夫の創作活動を手伝いますが、いかんせん ジョゼフには才能がない。
いつの間にか 主客転倒の関係に。
が、時は1960年代 如何に素晴らしい作品だとしても、
女性の名前では売れない。
そこで、作品は 全てジョゼフ名義で出版された。
もちろん 夫婦だけの秘密。

もともと 妻子がありながら、教え子に手を出してしまうような男ですから、
人気作家の地位を得れば その振る舞いは、ますます酷くなるのは 明らか。
ジョーンは、そんな夫にも ひたすら耐えてきた。

ついに ジョゼフがノーベル文学賞受賞。
晩餐会のスピーチで、妻への謝意を述べるジョゼフ。
なんとも言えない表情で 聞いていたジョーン。

ついに切れた!

彼らの周りには、夫婦の秘密に気づいた記者のナサニエル(クリスチャン•スレーター) 彼から そのことをほのめかされた 息子のデビッドがいる。
果たして、ジョーンは 全てをバラすのか?
そんな時 ジョゼフに異変が•••

とにかく グレン•クローズが素晴らしい。
彼女が、まだ1度も オスカーを獲っていないとは信じられませんが、是非 この作品で、実現して欲しい。
夫役のジョナサン•プライスも、私にとっては 「ミス•サイゴン」の主役として、思い出深い俳優。
また、夫婦の秘密に近づく ナサニエルを演じたクリスチャン•スレーターも、良い味出してました。

中村勘三郎 八面六臂の大活躍!「野田版鼠小僧」

2019-02-10 10:58:47 | 日記
昨日に続き 歌舞伎役者のお話です。
東劇で上映された「月一歌舞伎」より 「野田版鼠小僧」
平成15年8月に歌舞伎座で上演したものを 映画化した作品。
作者は、野田秀樹。まだ、勘三郎を襲名する前、勘九郎時代の上演です。
三津五郎 福助 橋之助 勘太郎 七之助らの共演。
作者含めて まさに勘三郎ファミリー勢揃いといった感のある公演です。

この作品で、稲葉幸蔵 棺桶屋三太の2役をこなす勘三郎 。
さらには、鼠小僧になりすまし、果てには、子供たちに小判を撒き散らす 文字通り「サンタ」役まで演じるなど、まさに八面六臂の大活躍。
約2時間の舞台 動き回るエネルギーは 凄まじかった。

大岡忠相に扮した 盟友•三津五郎との お白洲での丁々発止のやり取り。
冒頭 金にしか興味のない三太として登場し、
兄が死んだとの知らせに、「これで一儲け」と喜び
さらには 「遺産がある」と聞くと、気も狂わんばかりの大喜びで、
観客を一気に芝居の世界へ引きずりこみ、
ラスト 忠相らの陰謀で、心ならずも死を迎えるシーンまで、
観る者の気を逸らさないお芝居は、
今さらながら さすがの一言。

三津五郎丈も含め、改めて 今の歌舞伎界が喪ったものの大きさ 感じた次第です。

中村鴈治郎 「怪談累ヶ淵」

2019-02-09 10:48:38 | 日記
神保町シアターで「こわいはおもしろい」という特集より、「怪談累ヶ淵」観てきました。
昭和35年の作品。私 生まれたばかりなので、出演者の中で 知っているのは、皆川宗悦を演じた中村鴈治郎だけでした。後は、娘の豊志賀役の中田康子 豊志賀と恋仲になる 深見新五郎役の北上弥太郎の名前を知っているくらい。
今、恋仲になる新五郎と書きましたが、三遊亭圓朝作の このお話 ご存知の方は、あれっと思われたと思います。
本来は、豊志賀と恋仲になるのは、もう一人の子供•新吉。この映画 その辺りは構成を変えています。どういう理由だったんでしょうか。

映画は、按摩の宗悦が 雪の夜 ちょうど今日みたいな日ですね 志賀とお園 2人の娘が止めるのも聞かず、深見新左衛門のところに、借金を取りに行く場面から始まります。
酒を飲んでいた新左衛門。体良く追い払おうとしますが、しつこい宗悦に逆上。思わず斬り殺してしまいます。
この時、なぜか娘たちの反応は描かれず、映画は次の場面へ移ります。

志賀は、豊志賀という名前で舞台に立ち、妹のお園は、売れっ子芸者。
豊志賀は、ある事件が きっかけで新五郎と知り合い、恋仲になります。
もちろん 2人の間にある因縁については、豊志賀も新五郎も知る由も無い。
「男嫌い」で通してきた豊志賀ですが、新五郎にはメロメロ。
その分、嫉妬もすごい。
やがて、彼女の邪推から 不幸が続くようになり•••
というお話。

宗悦は、映画の冒頭で殺され、後は亡霊として、娘の枕元などに登場する役回り。
中村鴈治郎 なかなか迫力があります。
お話は、宗悦の怪談話と豊志賀 お園のコイバナの2本立て。
それを 安田公義監督が 90分にコンパクトにまとめあげた作品でした。