とんとんはうす

「住まい塾」34周年 
築百年古民家暮らし長野
2月は石垣島+鳩間島
 



 

薬に頼らない「うつ病」治療(1)・・・・経頭蓋磁気刺激(TMS)

2012年03月11日 | 医療・治療
  うつ病はれっきとした「脳の病気」である。
うつ病の歴史は古く、ギリシャ時代の医学の父ヒポクラティスが「うつ」をメランコリアとよんだ。
それが、メランコリー(憂鬱)の語源になった。

  長引く不況、大災害、ストレスが蔓延する今の日本におけるうつ病患者は、およそ、100万人。
日本では、精神科や心療内科への理解度が低い為、診察を受けていない潜在患者さんは推定で数倍に上る。
日本では心の問題と思われがちだが、その為治療方法の確立が遅れたとも言われている。

  日本でのほとんどの治療が「問診」と、「薬浸け」の治療にとどまっているが、
抗うつ薬が効かない患者は三人に一人(USA調べ)、副作用をもよおしたり、再発を繰り返したりと問題が多い。
薬に頼らない画期的な先進治療を、日本では受ける方法はないのでしょうか?


経頭蓋磁気刺激(TMS)治療  
アメリカでは抗うつ薬に頼らない、強力な磁気を使った最新の治療法経頭蓋磁気刺激(TMS)が開発され、
全米400個所の医療機関で導入されている。

治療前の問診・・・飲んでいる薬は?パキシル?プロザックは?ゾロフトは?プリスティークは?(患者さん:副作用がひどい)
    
経頭蓋磁気刺激(TMS)治療開始                 2日目、表情の違いにスタッフが気付く            
    
2回目にして効果が表れる                      2週間後
    
治療前と1カ月後の回復後の表情
                      
  
DLPFC(背外側前頭前野)とは、判断や意欲に関わる場所で、この活動が弱ると判断力が落ち意欲が湧かなくなると言う。
DLPFC=The dorsolateral prefrontal cortex
また、へんとう体(人が生きる為に必要な本能を司る)は不安・恐怖・悲しみなどネガティブな感情が生まれる場所で、
へんとう体が暴走し、DLPFCとのバランスをとれなくなると、うつの症状があらわれるようになる。
磁気を使ってDLPFCを刺激する事によって、DLPFCがへんとう体の暴走にブレーキをかける。
    

  

  経頭蓋磁気刺激(TMS)は、磁気刺激は効果を実感しやすい為、患者が治療に対して前向きになるという。
回復率は患者の何と、70%に達しているという。
日本では、日本独自に安全性と有効性を確認し、承認を得なければ治療に使えず、数年はかかると見込まれる。

前頭前野とは、前頭連合野とも呼ばれ、脳の活動性の調節に重要な役割を果たしている。記憶や学習と深く関連している。
特に初めて体験する作業などで、この領域の活動が必要であり、慣れてくると別の脳の領域に任されるようになる。
また、不快なストレス刺激や不安感により、活性化される。前頭前野に障害を来すと、前頭葉症候群となり、周囲に対し無関心になる。
また、抽象的な思考ができなくなり、記憶障害や知的機能障害、痴呆(認知症)などが起こる。
うつ状態でも、この領域の代謝や脳血流量が低下している。  

    ②は脳深部刺激(DBS)・・・手術                         2月12日OA「NHKSPより」
コメント