チャンネルを回せ！

つい先日の娘家族来訪で、賑やかにTVを観ている時のことです。
リモコンを持っている孫に、ヒゲが頼みました。
「　ヒィちゃん、チャンネルをかえて！　」
そう言いながら、ヒゲは右手首を回したのです。
ダイヤル（！）を、右に捻じる様に。
その動作を見た孫は、少し困ったちゃんの顔になりました。（笑）
孫は首をかしげながら、リモコンを回転させるようにして、こう言ったのです。
「　ヒゲ爺、チャンネルは回すんじゃあなくて、（リモコンを）押すんだヨ！　」

大阪万博の年の三月。
京都のアパートに、テレビを購入することになったヒゲ。
　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　写真は、当時のテレビです。
　　　　　　上には、チェス・学生チャンピオンカップが飾られています。

“カラーテレビ”と云う名の、当時の日本人憧れ、三種の神器・新三Cです。
設置が終わり、スイッチを入れると、テストパターン（！）と云うのが出てきた。
ちなみに、スイッチは入れるでは無く、“引っ張って”いたような。
だから、テレビを消す時は押していました。
テストパターンの六色ぐらいに区切られた映像。
暫くすると、テレビ局からの映像が映ります。
顔の後ろ当たりから、赤～いライトの後光が射している様な、不思議な色付け。
だんだんカラーが落ちつき、目が慣れると感激が湧いてきます。

しかも、『　チャンネルを回す　』　と、もっと驚きます。
当時の熊本では、民放は２チャンネルしかありませんでした。
しかし、ここ京都では、ほぼ全チャンネルを視聴出来るのです。
嬉しさの反面、たくさんの民放の番組表に慣れるまで、チャンネル回し（！）の作業は
大変でしたが。　(笑)
大場政夫のボクシングはどこだ？
木枯らし紋次郎は何チャンネルだ？
暗い京都生活で、ヒゲに唯一の愉しみの色を付けたテレビ視聴の始まりでした。

　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　≪　　懐かしいテレビ　　≫
　　　　


　　　　　　　
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