ヒゲが一人で、栄通りの店を運営していた、1970年代後半です。
募集で、板場がひとりやって来ました。
とりあえずの仕事に、“ ブリの水洗い ” を頼みました。
くだんの板場は、さほど考えることなく、ブリを手にしました。

そして、そのままブリを蛇口の下に置き、バルブをひねり水を掛けた(!)のです。
その後、ヒゲに「 済みました! 」 と言いながら、まな板にブリを戻したのでした。
ヒゲは、驚愕しました。
これは、冗談か?
はたまた、ヒゲの忍耐力を試されているのか?
“ 水洗い ” と云う用語で、此れほどに熊本~京都とは違いがあるのか?
頭を抱えてしまいます。
ヒゲが習った水洗いの定義はこうです。
魚のウロコを除き、エラと腹わたを抜き取ます。
その後、胸腔にある血合いを、ササラで丁寧に洗い流す。

しかし、現実に、熊本の水洗いを見る限り、用語の概念にはずいぶんな違いが。
この板場だけであって欲しいと、願わずにはいられませんでした。
この実話は、後に、酒席での面白い笑い話になりました。
が、その後、ヒゲ周囲のシャバでは、笑い話では済まない事が、次々と起きるのです。
ビル新築後の90年代、ある予約が入りました。
OOトラベルと云う旅行代理店が持ってきた、20人ほどの企画です。
料理に、ある指定がありました。『 鉢盛り 』 にしてくれと。
この提案に、ヒゲはピンときました。
熊本市中心街には、日本有数の歓楽地が隣接している事で有名なのです。
ヒゲの店は、その極楽浄土まで、歩いて10分も掛からないでしょう。
つまり、その団体客は、食事もそこそこ(!?)に切り上げ、
サッサと享楽の二次会に行きたいのだな。
だから、何もかもセットされた鉢盛りを希望しているのだろうと。
ウンウン、わかる・わかる!? (笑)

《 ヒゲがイメージしたのは、こんな風なもの 》
こうして調理場は、不慣れな鉢盛りの仕事をやっとの思いでこなしたのです。
指定が無ければ、シロウオの踊り喰いで季節を味わってもらい、
塩辛珍味(勿論、自家製)で日本酒を楽しみ始めて貰おうとの趣向なんです。
でも、この部屋の料理は、180度違う鉢盛り仕事。
鉢盛りは、取り易い固形物の料理を中心に構成します。
例えば、何時もなら天ぷらなところを、エビフライとか鶏の唐揚げを用意。
こんな風なリハーサルをしながら、その日を迎えました。

《 こんな風にチマチマと料理が出されたら、気もソゾロに ・・・ (笑) 》
~~~ つづく ~~~
http://blog.with2.net/link.php?1046790
↑ 参加中です。クリックしてもらえたら嬉しいです。
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とりあえずの仕事に、“ ブリの水洗い ” を頼みました。
くだんの板場は、さほど考えることなく、ブリを手にしました。

そして、そのままブリを蛇口の下に置き、バルブをひねり水を掛けた(!)のです。
その後、ヒゲに「 済みました! 」 と言いながら、まな板にブリを戻したのでした。
ヒゲは、驚愕しました。
これは、冗談か?
はたまた、ヒゲの忍耐力を試されているのか?
“ 水洗い ” と云う用語で、此れほどに熊本~京都とは違いがあるのか?
頭を抱えてしまいます。
ヒゲが習った水洗いの定義はこうです。
魚のウロコを除き、エラと腹わたを抜き取ます。
その後、胸腔にある血合いを、ササラで丁寧に洗い流す。

しかし、現実に、熊本の水洗いを見る限り、用語の概念にはずいぶんな違いが。
この板場だけであって欲しいと、願わずにはいられませんでした。
この実話は、後に、酒席での面白い笑い話になりました。
が、その後、ヒゲ周囲のシャバでは、笑い話では済まない事が、次々と起きるのです。
ビル新築後の90年代、ある予約が入りました。
OOトラベルと云う旅行代理店が持ってきた、20人ほどの企画です。
料理に、ある指定がありました。『 鉢盛り 』 にしてくれと。
この提案に、ヒゲはピンときました。
熊本市中心街には、日本有数の歓楽地が隣接している事で有名なのです。
ヒゲの店は、その極楽浄土まで、歩いて10分も掛からないでしょう。
つまり、その団体客は、食事もそこそこ(!?)に切り上げ、
サッサと享楽の二次会に行きたいのだな。
だから、何もかもセットされた鉢盛りを希望しているのだろうと。
ウンウン、わかる・わかる!? (笑)

《 ヒゲがイメージしたのは、こんな風なもの 》
こうして調理場は、不慣れな鉢盛りの仕事をやっとの思いでこなしたのです。
指定が無ければ、シロウオの踊り喰いで季節を味わってもらい、
塩辛珍味(勿論、自家製)で日本酒を楽しみ始めて貰おうとの趣向なんです。
でも、この部屋の料理は、180度違う鉢盛り仕事。
鉢盛りは、取り易い固形物の料理を中心に構成します。
例えば、何時もなら天ぷらなところを、エビフライとか鶏の唐揚げを用意。
こんな風なリハーサルをしながら、その日を迎えました。

《 こんな風にチマチマと料理が出されたら、気もソゾロに ・・・ (笑) 》
~~~ つづく ~~~

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洋食でも水洗いっていえば、フィレ(三枚)に卸せる前までの仕事です。
何でもそうですが、「ソージしとけ」は肉魚に見合った仕事だと認識してます。
鉢盛り、たしかに俗に言うオードブル盛り合わせ前菜盛り合わせの大皿が一般的。
ホテルに入って覚えたのが卓盛り料理。
前菜・造り・煮物・焼物・揚物を各テーブルの人数分盛った大皿コース。
ですから、予約から入るときは80名の10卓、小鉢・吸物は個々出しで
あとは、オール8盛りで願いますみたいな。
代理店のエージェントさんは、人数が増えても構わないように、
時間が無いからパッと食べれるように
会席を崩して大皿盛りのイメージで鉢盛りって言ったのかしらん。
当たったかも♪