田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

駄ネコ、一度だけの奇蹟

2014-05-31 21:04:53 | トンカツ物語り
今年で19歳になる、我が家の駄猫トン様。
若い頃は、野良猫のごとく天衣無縫で、好きな様にやりたい放題でした。
以前の家では、1階にある母の部屋のコタツの中が定位置。
2階のヒゲ達の部屋上ってくる事は、ほとんどありませんでした。
その頃のヒゲは、酒飲んで酔っパライモードで帰るのが常。
トンをイジメる事はあっても、わざわざ餌をやる事なんてなし。
当然、ヒゲとトンの仲も、良好なモノとは言えませんでした。

そんな99年、突然、ヒゲは解離性大動脈瘤で入院したのです。
7ヵ月の闘病を経て、年末に退院した時の事です。
ヒゲ独り、2階の部屋でリクライニングチェアーを伸ばして横になっていました。
暫らくして、1階に居たトンが、とんとんとんと軽快な音をたてて、階段を駆け上ってきた。
入口で 「 ニャーン 」 と鳴いてヒゲに近づいたのです。
なんて、珍しいコトでしょう?

そして、ヒゲの腰の辺りから、ゴソゴソと這いあがって来ました。
何すんだろう? 
おどろきです。 初めて見る動きですモン。
トンは、その後、ヒゲの左脇腹、つまり手術痕の上に、自分のお腹を押し当ててきました。
まるで、自分の主人の傷付いた部分を癒す様に。
その様子は、イエスが病める者の身体に手を当てるシーンみたい。
ヒゲの腹に乗ったトンは、そのままジッーと眠りモードに。
しょうがないと、ヒゲもソレに付き合いました。

しかし、20分程もすると、術後の回復が充分でないヒゲは、呼吸が苦しくなりました。
トンの重さで、腹と肋骨が圧迫されてきたからです。
トンには感謝だけして、お腹から降ろしました。
そのまま階段を、ポンポンポーンと、降りて行ったのでした。
19年間一緒暮らしていて、たった一度だけの信じられない出来事で御座いました。
  
今日から、オムツを付けられた老描も、こんなに可愛い時があったのでした。

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