さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

移民政策 一番の問題点とは

2019-01-08 | 社会・経済



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新年あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願い申し上げます



さて、昨年より、今年の4月から本格的に始動する『移民政策』について触れてきました

あれだけ騒いでいたのにこの頃はメディアも政治家も随分静かです

喉元過ぎればなんとやら…


現在、移民ではありませんが、『技能実習』という名の在留資格のもと、単純労働に係る『出稼ぎ労働者の受け入れ』はすでに以前から始まっていることはこれまで述べてきました

今回は、その技能実習そのものの現状について、その問題点、疑問点について小平次の思うところを述べてみたいと思います

一昨年の11月、この技能実習に関する新法が、既存の入管法の枠とは別に特別法として施行されました

その名も

『外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律』

技能実習生の『保護』です、『保護

別に保護そのものがいけないとかってことではないかもしれませんが、考えてみてください

例えば私たち日本人が単身外国で働こうとか思った場合、特別法で保護されるなんてことがあるんでしょうか

普通は自力で生活をしなくちゃいけません

では、技能実習生はどれくらい『保護』されてるんでしょうか

ある、小規模企業社長が、もう少し人手が欲しいと外国人技能実習生の受け入れをするとします

そうしますと、まず、その技能実習生の日本への渡航費用はその会社、もしくは団体監理型であれば監理団体が負担し、技能実習生に負担させてはなりません

3年なり、5年なりの期限を終え、帰国する際の渡航費用も同じです

『国のカミさんが浮気した!』

なんて理由でで退職し、自己都合で期限途中で母国へ帰るような場合でも技能実習生に飛行機代を負担させてはなりません


入国し、受け入れる際には、居住するためのアパートなんかも用意しておかなければなりません

その居住施設の適正についても、家賃の額(家賃以外、敷金礼金、明け渡し後のリフォーム費用などはとってはいけないし、国によっては上限を定め、実際の賃料がそれを上回る場合、差額を企業が負担するのでなければ人材を派遣しない)、居住スペースの最低平米数、なども事前に技能実習機構や入管に、入念にチェックされます

生活必需品、炊飯器や食器、冷蔵庫、洗濯機なども、住んだその日から生活できるように用意しておく必要があります

最初の給料日まで日が開くこともあるので、数日分の、米などの食料も必要です(場合によっては給料前借)

生活が始まってからも、技能実習生が病気になったり怪我をしたりすれば、基本的には監理団体の職員さんが母国語で対応できるよう通訳などを手配し、病院まで付き添ってやります

その他にもホームシックになったとか、悩みがあれば監理団体職員さんが相談に乗り、母国の家族が病気になったから一時帰国したいとか言えばチケットをとってやったり、もういたれりつくせりです

私たちがアメリカで働こう、って思ったらここまで保護されるんですかね?

根底に日本の経済成長のため

『来て頂いている』

という風に見えます


技能実習機構の人間が言ってたそうですが

『日本の出稼ぎ労働者の受け入れは他国とは一味違う』

いたれりつくせりにしてやって何が悪いんだ?って声が聞こえてきそうですが、小平次が思うのは、あまりに過剰な保護である、ということです

過剰な保護がなんでダメかって申しますと、それが『当たり前』になり、日本人は労働法令を除けば『保護』されないのが『当たり前』なのに、そこに逆差別が生まれ、多少でも『保護されていない』ってなるとそれが不満となり、仕舞いには文句をつけ始める、文句だけならまだしも、大げさにしかるべき機関、技能実習で言えば『技能実習機構』や『入国管理局』へ訴えたりするわけです

それが結局は対立を煽り、いつの間にかどちらが本国人だかわからない、数が増えればより声も大きくなり、法律上立場も逆転しかねない、そんな具合になってしまうということです

それは日本人同士の雇用者と労働者の立場、ということだけでなく、この場合、日本国において日本人と外国人の立場が逆転しかねない

これはすでにその兆しを小平次は感じております

他にもおかしな点があります



昨年の新法施行により、技能実習の対象職種に『介護』が加わりました

その介護の技能実習における審査基準を見てみますと

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000182420.pdf

洗面やら整髪、顔の清拭など、要介護者の体に触れる作業が入ってるんです

介護の仕事で、体に触れる仕事をするには、介護の資格が必要になります

日本においては最低限介護職員初任者研修を130時間以上受講しなくてはなりません(試験あり)

一方外国人技能実習生は、一応母国で決めれた時間の研修をしますが、半分以上は介護に関する日本語の研修であり、実務的なことは60時間くらいです(通常の日本語研修は別・最低N3レベルが求められる)

日本に入国後も講習が義務づけられておりますが、介護の講習時間は42時間です

つまり、言い換えれば、日本人が体に触れる介護をするために取得しなくてはならない資格よりも、ゆるい条件でそれができるということです

一昨年できたばかり法律に、他にも、事務手続き上のことも含め、このような矛盾をいくつも見つけられるというのに、もう4月にはあらたな法律で外国人の出稼ぎ労働を拡大すると言うのです

現行法の矛盾を解決することもなく、新たな法律をここまであせって作る必要があるのか、って疑問はやはりつきまといます

新しい法律は、野党が『人権!人権!』と的外れに騒いで、与党はそれをかわすために、実情も把握しないまま、新法において、より厳格に外国人労働者の保護を謳うでしょう

さて、今の技能実習においてもすでに『いたれりつくせり』と申し上げましたが、『いたれりつくせり』であるならばなぜ、先日までマスコミや野党が

『最低賃金以下で働かされている』

とか

『より高い賃金を求めて失踪』

とか

『過酷な労働環境で働かされ、人権が守られていない!』

などと騒いでいたんでしょ?

泣きながら訴える技能実習生の映像まで流して…



次回はこのシリーズの最終回として、この辺のことを述べてみたいと思います


最後に、ちょっと余談ですが

先日、ある会社のベトナム人がちょっと法に触れるようなことをしているかもしれない、ってんで法的な説明をして欲しいってことで、その会社の社長と監理団体の担当者さんと夜にそのベトナム人のいる寮へ行ったんです

暮れも押し迫り、その日が仕事納めだってんで、寮の一室に十数名のベトナム人が集まり、鍋を囲み宴会をしていたんです

突然の訪問だったこともあり、みんなすでに酔っぱらっています

そこへ小平次が通訳を解し、法的な説明を始めたんですがみんな酔ってますんでまともに聞きません

茶々を入れたり…

あんまりにも態度が悪いもんで

『何か言うときは敬語を使いなさい!』

と、ちょっと叱ったりもしたんですがまあ酔っぱらってるもんで…

社長さんも、会社のために君たちの力が必要だってことを力説したりしたんですが、まあ、一応聞いているって感じ…

会社の体制に問題がないわけではないんですが(法的なことではなく、情の部分において)


実際社長さんも、今一人でも欠けたら納期の問題もあり、やたらと平身低頭です

そういう事情を知ってか知らずか、酔っていることもあり、全体的に不遜な態度のベトナム人たち…

まるで立場が逆転しているかのようなそんな光景を見まして、小平次、ある映画を思い出しました


誤解を恐れず、差別だのなんだと言われることも承知の上で申しますが、その映画は…、そう、あれです

あの映画です

『猿の惑星』




御免!


PS こんな風に書いてきましたが、小平次の知る技能実習生のほとんどは真面目で一生懸命です
   先日も間もなく帰国する中国人女性が3年間で300万円貯めて、母国の家族に送金したと
   嬉しそうに言ってました
コメント (4)
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