さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

働き方改革って強制ですか?

2019-01-17 | 社会・経済




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こんにちは

小野派一刀流免許皆伝小平次です


以前より取りざたされていた『働き方改革関連法』が今年の4月よりスタートいたします


本日はその内容について思うところを述べてみたいと思います


さて、そもそも今回の働き方改革、これによって一体だれが得をするんでしょ?

ちょっと首相官邸のHPをのぞいて見ますとその目的のようなことが出ております

『働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます』

だそうですが漠然としていてよくわかりません

そしてその概要

http://www.kantei.go.jp/jp/content/20180706gaiyou.pdf

『Ⅰ 働き方改革の総合的かつ継続な推進 』『Ⅱ 長時間労働の是正』『Ⅲ 雇用形態にかかわらない公正待遇の確保』

などについて、企業の守らねばならない義務が記されております

一方的に義務は記されておりますが、具体的にどのようなやり方をすれば良いのかはわからず、企業任せのようです

ですので、具体的に今後、どのようなことが起きうるのか、妄想してみるほかありません

まず大きな改正点の一つ『残業時間の上限設定』について

まず法は労働時間を1日については8時間まで、1週については40時間までとして、これ以上は原則的に1秒たりとも『残業』というものを認めておりません

残業させるには、労使間で『残業してもいいよ』っていう協定を結び、労基署へ届け出なければなりません

これが、労基法第36条を根拠に結ばなくてはならないものなので『36協定(サブロクきょうてい』と呼ばれるものであります

この36協定を結ぶことによって、月に45時間までの残業が認められることになります

さらにこの協定に『特別条項』を付することで、年間12か月のうち、6か月までは45時間を超えて協定を結んでもかまわない、ってことになっていたわけです

その45時間を超えてよい、という部分の上限が、現行法において定められていなかったわけです

なので、極端な話をすれば、それが可能であれば月200時間だろうがなんだろうが法的には問題がなかったわけです

それを今回上限を定め『100時間未満』とするようです

実際のところは、ここ最近の風潮を受けて、現行法においても、100時間を超えて協定を結んでも労基が判を押さないケースも多く、実質は100時間までということであまり変わらない思うわけです

ですが、今回の改正は基本的に労働時間を短縮せよ、ということに変わりありません

世の中にはブラック企業なんて呼ばれるところが確かに存在するのかもしれませんが、どうなんでしょう、小平次は仕事柄20年以上前から中小企業と関わっておりますが、世に言われるようなブラック企業的な会社をあまり見たことはありません

移民政策に関する記事でも申し上げたのですが、世に出回っている悪い企業の情報というのは、基本的に労働者側の一方的な主張ばかりであり、あまり公平とも思えません

また、ホンマモンのブラック企業なんてのは、現行法ですら遵守していないのですから、法律が変わったってそれを守るとも思えません

まともな会社だって、業種によって違いもあり、労働関連法令を杓子定規に当てはめようったってなかなか無理があります

それでもほとんどの会社は真面目にやっているだろうと思います

その上で残業、なぜ残業が必要なのでしょう

それは、それだけ働かなければ会社が回らないからでしょう

それに対し一方的に『労働時間を短縮せよ』と言われても多くの、特に中小企業は困るでしょう

企業努力ったって限界がありますし、打開するためにはこれまで一人でやってきた仕事を二人にするとかも考えなければなりません

しかし、中小企業経営なんて人件費との闘いと言っても過言ではありません

人件費のコストが上がれば製品の品質を落とすか、販売価格に上乗せしなくてはならなくなります

場合によっては業務縮小、生産量の減少をしなくてはならなくなるかもしれません

それは中小企業の淘汰を意味するかもしれません

大企業が今回の改正に従おうと社内の改革を行えば、一部の業務を下請けに回すかもしれません

そうなればさらに中小企業は大変です

『働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます』


と言いますが、これではどう転ぶかわかりません

他の改正点として

『有給休暇の強制取得』

というのもあります

年間5日間は労働者側の申請がなくとも強制的に休暇をとらせなくてはならない、というものです

有給休暇は本来労働者側の権利であり、『権利を強制』ってのもかなり違和感があります

確かに中には『有給なんてけしからん!』ってな会社もありますが、そういう会社は強制させてもあまり意味はないように思います

そもそもはですね、会社の社員に対する『愛情』だと思うんです

社員はその『愛情』を感じれば『愛社精神』を持つものです


小平次が大学を卒業して最初に入った会社

すんげー忙しい会社で

休みなんて1か月に1日あるかないか

日々の仕事も朝から晩まで長時間

これがブラックってんならとんでもないブラック企業でしたよ

でもそんな風に思ったことは一度もありませんでした

社員一丸、目標に向かって!

会社も上司も大変厳しかったですが、愛情もあり、やりがいもありました


日本には松下幸之助や本田宗一郎他、崇高な理念を持ち、社会に貢献し、日本をより良い国にすることを目的とするような経営者が大勢いたんです

しかし、小平次が前述の会社を退職後(理由は若気のいたりでどうしてもインドを放浪したかったので…)数年がたちますと、日本型の家族的な経営は時代遅れ、欧米型の完全能力主義こそが企業のあるべき姿だ

みたいな風潮になりまして、社長をCEOだとか呼ぶようになったり、そのころから利益追求こそが第一の目的、そんな感じで

古い話ですがJR西日本、福知山線の大事故のあと本社のオフィスがテレビに映ってたんですが、壁に掲げられたスローガン

第一が『利益追求』、第二に『安全輸送』

それを見て思いました

『安全輸送』こそが第一であり、鉄道会社の使命だろうと

それができて初めて『利益』がついてくるのだろうと

こうしたただ儲かればいい、という今の日本企業の体質がこんな法律を作らせたのか、はたまた大企業だけが得する仕組みづくりの一環なのか

情熱を持って『お客さまのためにどうしても明日までにこれを仕上げたい!』

そんな想いも強制的にシャットアウト

いずれにしても

残業時間の上限も休日の取得も、法律で定めて強制しなければならない状況ってのはとても悲しいことです






御免!



コメント (2)
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