猛虎図鐔 (鍔の歴史)
猛虎図鐔 東雨
良く知られている鐔である。そしてまた、後の多くの金工が同図を手本として製作している作である。岩場の洞窟に潜む虎を題に得た構図に利壽の鐔があるも、後に紹介するように利壽のそれは猛虎としての厳しい表情。安親の作ではどことなく人間味が感じられるのは、意図してのものであろう、筆者は面壁達磨を思い浮かべる。鉄地高彫に金象嵌。背景には山水図がある。瀧があり湖水を経て霞む山並みが見える。だがこれを、現実を思い浮かべる風景と捉えてよいものだろうか。心象風景とするなら空間の不思議さは受け入れられる。色々と思索させてくれる、言うなれば禅の趣を感じ取る作である。75.7ミリ。
猛虎図鐔 東雨
良く知られている鐔である。そしてまた、後の多くの金工が同図を手本として製作している作である。岩場の洞窟に潜む虎を題に得た構図に利壽の鐔があるも、後に紹介するように利壽のそれは猛虎としての厳しい表情。安親の作ではどことなく人間味が感じられるのは、意図してのものであろう、筆者は面壁達磨を思い浮かべる。鉄地高彫に金象嵌。背景には山水図がある。瀧があり湖水を経て霞む山並みが見える。だがこれを、現実を思い浮かべる風景と捉えてよいものだろうか。心象風景とするなら空間の不思議さは受け入れられる。色々と思索させてくれる、言うなれば禅の趣を感じ取る作である。75.7ミリ。