檀渓渡河図鐔 (鐔の歴史)
檀渓渡河図鐔 望窓軒濱野直随〔印〕
これも三国志から取材したもの。朧銀地高彫色象嵌。この図のように、表裏を巧みに連続させている点が興味深い。鐔や目貫には表裏がある。古い鐔には、表裏掛け替えられるよう、あるいは表裏を掛け替えたと推測される作があり、それらの多くは文様表現であることから表裏の意味は不要であったが、このような鐔を見ると、表裏の存在が強く意識されていることが理解できる。
鐔の表裏を見分ける方法。小柄櫃が左、笄櫃が右に位置しているのが表。一般に表は、裏に比して華やか。裏に比して文様の配分が多い。金などの色金の量が多い。主題が表。茎櫃周囲の責め鏨は表に行う。このように見ると、判り難い鐔の表裏も容易に判断できる。
この鐔のように、主題を表裏に連続させる表現は、実は奈良利壽にすでにみられるのである。表現、構成などの点においても奈良派の感性は凄いと思う。
檀渓渡河図鐔 望窓軒濱野直随〔印〕
これも三国志から取材したもの。朧銀地高彫色象嵌。この図のように、表裏を巧みに連続させている点が興味深い。鐔や目貫には表裏がある。古い鐔には、表裏掛け替えられるよう、あるいは表裏を掛け替えたと推測される作があり、それらの多くは文様表現であることから表裏の意味は不要であったが、このような鐔を見ると、表裏の存在が強く意識されていることが理解できる。
鐔の表裏を見分ける方法。小柄櫃が左、笄櫃が右に位置しているのが表。一般に表は、裏に比して華やか。裏に比して文様の配分が多い。金などの色金の量が多い。主題が表。茎櫃周囲の責め鏨は表に行う。このように見ると、判り難い鐔の表裏も容易に判断できる。
この鐔のように、主題を表裏に連続させる表現は、実は奈良利壽にすでにみられるのである。表現、構成などの点においても奈良派の感性は凄いと思う。