李白観瀑図鐔 (鍔の歴史)
李白観瀑図鐔 安親
中国の詩人李白を題に得た図で、背景は中国で培われた山水図。全く金家とは異なるのだが、この鐔を見ながら、ふと、安親は金家を手本として習作を手がけているのではなかろうかと考えた。もちろんこの作品はまさに安親そのものであり、金家の求めた古代中国の伝承などと同様の題を得ているに過ぎないのだが。多くの題材に目を向けて多数の作品を遺した安親なら、金家そのものを習作したのではないだろうか。
安親の人物描写は巧みである。ここでは、銀象嵌に精巧な鏨を加えて写実表現し、細部の描写で表情だけでなく表情を穏やかにした人間そのものを再現している。
鉄地高彫に金象嵌。耳をわずかに打返耳にしている。顔の拡大を、二例だけだが金家のそれと比較されたい。安親の技術力の高さが感じとれよう。77.2ミリ。□
李白観瀑図鐔 安親
中国の詩人李白を題に得た図で、背景は中国で培われた山水図。全く金家とは異なるのだが、この鐔を見ながら、ふと、安親は金家を手本として習作を手がけているのではなかろうかと考えた。もちろんこの作品はまさに安親そのものであり、金家の求めた古代中国の伝承などと同様の題を得ているに過ぎないのだが。多くの題材に目を向けて多数の作品を遺した安親なら、金家そのものを習作したのではないだろうか。
安親の人物描写は巧みである。ここでは、銀象嵌に精巧な鏨を加えて写実表現し、細部の描写で表情だけでなく表情を穏やかにした人間そのものを再現している。
鉄地高彫に金象嵌。耳をわずかに打返耳にしている。顔の拡大を、二例だけだが金家のそれと比較されたい。安親の技術力の高さが感じとれよう。77.2ミリ。□