相撲図三所物 (鍔の歴史)
相撲図三所物 銘 後藤光昌(花押)
後藤程乗は顕乗の嫡子。顕乗が宗家を継いだために二十三歳で理兵衛家二代当主となる。光尹を光昌に改銘。覚乗と共に前田家に出仕し、加賀金工の育成と藩の財務に携わる。理兵衛家の程乗が後に宗家を継ぐこととなった理由は、八代即乗が若くして没したため、その子の技量が低く宗家を継ぐ技量が乏しいことから程乗を迎えて九代とし、技術指導に当たったもの。四十四歳で程乗と改銘。この時代の後藤家で最も技量の高い金工であることは明白。作品は相対的に華やか。彫刻技術も優れており、意匠も決して奇抜ではないものの迫力があり、動きが感じられる。写真は相撲図三所物。貴重な自身銘である。赤銅魚子地高彫に金色絵。裏板に銀を用いている。同時代の風俗を描き出したものとして頗る面白い。
相撲図三所物 銘 後藤光昌(花押)
後藤程乗は顕乗の嫡子。顕乗が宗家を継いだために二十三歳で理兵衛家二代当主となる。光尹を光昌に改銘。覚乗と共に前田家に出仕し、加賀金工の育成と藩の財務に携わる。理兵衛家の程乗が後に宗家を継ぐこととなった理由は、八代即乗が若くして没したため、その子の技量が低く宗家を継ぐ技量が乏しいことから程乗を迎えて九代とし、技術指導に当たったもの。四十四歳で程乗と改銘。この時代の後藤家で最も技量の高い金工であることは明白。作品は相対的に華やか。彫刻技術も優れており、意匠も決して奇抜ではないものの迫力があり、動きが感じられる。写真は相撲図三所物。貴重な自身銘である。赤銅魚子地高彫に金色絵。裏板に銀を用いている。同時代の風俗を描き出したものとして頗る面白い。