吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

CADのおかげで

2006-04-10 12:17:20 | Weblog
15年くらい前 ある大手のサブコンに図面を頼まれたことがある
自分は立場的に逆転現象が起きるので施工者(特にサブコン)の仕事はやらないと決めていたのだが そのときは暇であることもあり、うまいことプライドをくすぐられて 仕事を請けてしまった
2ヶ月ほどで納入 それなりに感謝された
それから1年くらいして またその人から電話
その増築があるので またお願いしたいとのこと

私  :ああ そうですか 前のは よかったですか?
サブコン :お陰様であのときはありがとう御座いました。 またお願いしたいのですがいいですか?
私  :ああ じゃあ やりましょうかね・・
サブコン :それで~ チョットいいにくいのですが  すこうしだけ図面をきれいに書いてもらえばたすかるんですが・・・・・
私  :(内心むか~ 血圧上昇 でも抑えて) ああ前のは汚かったですか・・
サブコン :いえ あのう そうは思わないのですが・・・ なんせ電気がえらいきれいに書いてくるもんで 比較されて 言われるんですよ~
私  :(ここで怒りは沸騰点に達する)(間髪いれず)できません
  ”その時私のプライドはズタズタに切り裂かれ せっかく良い提案までしてやってバッチリおさまって どうだ先生はすごいだろう とすましているところへ 突然バケツで水をひっかけられた感じだ  
サブコン :えっ
私  :できません
サブコン :いえあのう 少しだけていねいにしてもらえば・・
私  :しません これ以上きれいにはできません 十分綺麗なはずです
サブコン :・・・・
私 :綺麗に書くところに頼んでください ○さんなんかどうですか
サブコン :そう言わずに文字板を使うとか位でいいんですよ
私 :いや 出来ません
サブコン :そうですか・・

思えばその人はいいひとだった
私が切れたばっかりに
でもそのとき対応しないでよかった
まだCADのない殆ど時代
図面書き職人が幅を利かせていた時代の最後あたり
そのころは内容より図面のセンスや線の押さえ方なんかで尊敬を受けていた時代

ああ~CADの時代になってよかった
もしCADが登場してなければ図面の汚い屁理屈おじさんだった
コメント
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