岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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56回目の誕生日に(ISによる人質殺害を追悼しました)

2016年02月06日 12時27分13秒 | 政治経済論・メモ
56回目の誕生日に 2016年2月1日


 僕は1960年2月1日生まれだ。この日が特別な意味を持った。去年からだ。2015年の2月1日は、ISによる日本人人質殺害事件が公表された。これがショックで一週間寝込んだ。医師には「岩田さんらしい悩みですね。」と言われた。


 だが深刻だった。自分が生を受けたその日に日本人が海外でテロの犠牲になるとは。当時は安倍首相がイスラエルで安全保障のパートナーシップを宣言した直後だった。エジプトで「テロとの戦い」も宣言した。これがISを挑発したことに間違いない。


 人質がISに拘束されているのを政府は知りながら、ISとの交渉も救出への具体的努力もしなかった。交渉は当事者の妻に任せ、政府がやったのはヨルダンに対策本部を設置し、被害者の自宅に婦人警官を配置しただけ。

 誘拐事件の場合、誘拐された人の安全をまず第一に考える。身代金も用意する。人質を救出したのち犯人の検挙に力を入れる。これが常識だ。黒澤明の『天国と地獄』を見ればリアルに分かる。犯罪は許しがたいが人命第一なのだ。しかし安倍総理は人質の拘束を知りながら、ゴルフに興じ、日常生活を送っていた。


 人質は見殺しにされたのだ。こんなことが許されて言い訳がない。国会で首相の責任を追及した国会議員は「テロの味方をする」とレッテルを張られた。ツイッターで醜い罵詈雑言が拡散した。標的は共産党、社民党、民主党の国会議員だった。


 こんな理不尽があるか。許せない。事件の一週間後、渋谷ハチ公前の追悼集会で心の安定を回復した。


 今年の2月1日は四谷駅赤坂口の「2,1サイレントアクション」に参加した。安部内閣の安全保障政策、集団的自衛権への怒り、危険性を強く感じ始めたのは、この頃からだった。


 誕生日にはフェイスブックに沢山のお祝いの投稿を頂いた。タイムラインに表示されないメッセージも沢山いただいた。早々と前日にメッセージを送ってくれた友人、2月1日の最後にフェイスブックに書きこんだ友人。多くの友人にお礼を言いたい。


 去年はこうしたことがあって、命の尊さを深く考えさせられた。母に初めて「生んでくれてありがとう」と言えた。来年も2月1日はやってくる。そのたびに命の大切さを深く感じるだろう。




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