いわゆる「アベノミクス」は経済的格差を拡大した!
新聞やテレビでは」アベノミクスで景気が好転しつつある。」報道されている。だが本当にそうだろうか。
経済指標は株価だけではない。株価は上がっている。「年金の資金を株式市場に投資するから、株価は一層あがる。」という声が聞こえてくる。
しかし、株価以外の指標は、景気が減速しているのを示している。
8月は一か月だけで、正規社員が17万人減少している。安部政権発足1年で、年収200万円以下が30万人増加して、1100万人を越えた。(働く貧困層と呼ばれる)
8月の鉱工業生産指数は前月を1・5%下回り、自動車、家電は出荷が回復せず、家計支出も5か月連続で減少した。
「老後破産」「子どもの貧困」も深刻だ。
「老後破産」とは、年金支給額が生活保護を下回り、生活が成り立たなくなりつつある独居老人が増えていることを言う。
「子どもの貧困」は、子どもの6人に1人が、一人当たりの1日の食費が329円と子どもの成長に必要な栄養がちれないほど食費が圧迫されているのを言う。(「相対的貧困」と言われる。)
GDPの改定値も下方修正された。
賃金の上昇も、証券会社など、一部の大手企業に限られている。
ノーベル章経済学者のポール・グルーグマンは、「日本経済は消費税10%で完全に終わる、5%に戻せ。」と警告している。
かつて、「ワーキングプア」や「格差社会」と言われたが、アベノミクスの元で、「経済的格差」が広がっているのだ。
10月からは値上げラッシュが控えている。年金も減額されている。年金支給年齢を70歳まで引き上げようという声も聞こえてくる。
だが安倍総理は外遊のたびに、相手国への経済援助を国際公約してくる。外遊費用も膨大だ。国内の消費支出が縮小するもとで、景気回復はありえないだろう。
アベノミクスは「三本の矢」があると言う。大胆な金融緩和、機動的な財政出動、企業の成長戦略の構築の三つだ。日銀と政府の財政政策で、二本目の矢までは、放たれた。それで株価が上昇しているのだ。
麻生太郎財務大臣が「第三の矢までは時間がかかる。」と言って憚らない。企業の業績が上がり賃金が上昇するのは、さらにそのあと。それまで、国民の生活が正常に維持できるだろうか。企業の成長戦略として、武器や原発を輸出するのは世界の流れに逆らっているようで、賛成できない。特に軍需産業育成で経済を立て直すつもりなら、これは完全なる軍国主義だ。
自民党の谷垣幹事長は「消費税を上げなければアベノミクスの失敗が明らかになってしまう。」と称して、消費税増税を行おうとしている。話しがあべこべだ。
【追記】引き当て金などの名目で収益から差し引かれた、大企業の内部留保はかなりの額にのぼる。(庶民の暮らしとは掛け離れている。)
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