岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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病気の癒える兆し

2014年11月18日 23時59分59秒 | 紀行文・エッセイ
病気の癒える兆し

 このブログの「身辺雑感」で、僕の闘病記を書いてきた。連動するフェイスブックでは、多くの方に、ご心配をおかけした。

 幸いに、ここへきて、僕の病も、山を越えたようだ。

 先ず、胃がん。胃がんを宣告され、胃とリンパを全摘したのは、2005年。それから9年がたった。心配された再発の兆候は全くない。がんの場合、「3年生存したら5年は無事。5年生存したら10年は無事。10年生存したらほぼ克服と言われる。10年まで、あと1年あるが、医師からは、「ほぼ、大丈夫でしょう。」と言われた。胃がないので、食生活には不自由しているが、食事制限が、ダイエット効果をもたらし、手術前より体調が良くなった。

 次に、うつ病。これは10年以上苦しんだ。胃がなくなり、薬の量が増えた。うつ病の薬は胃で吸収するからだ。神経科の医師も初めての経験で難儀した。薬の副作用で入院したこともある。だがこれは、思わぬ展開で症状が消えた。

 三島由紀夫の『金閣寺』を御存じだろう。僕の心にも「金閣寺」があった。何をするにも、それが邪魔になって、心の桎梏となっていた。そこで思い切って、それに関するものごとを、全て捨てた。詳しいことは書けないが、それをきっかけに、病状は、大きく好転した。そして「詩人の聲」への参加。聲を出すことで、心が洗われる気がした。医師によると、作業所に通っている患者は、病状が好転するそうだ。医師の指示で服薬は続けている。だが、心ははるかに軽くなった。(保険会社によると、うつ病は治らないという。それで加入出来ない生命保険があった。)


 そして、胆嚢の切除。胆嚢がないと、脂ものが消化されにくい。天麩羅、フライ、ピザパイは食べられない。食べるとすぐ、お腹を壊す。このことをツイートしたら、同じように、胆嚢のない人から、リプライがあった。僕の場合、胆管が細く、胃がないため、内視鏡手術は出来ず、特別に複雑な手術を受けた。内臓に傷がついたらしく、下腹部の痛みが激しかった。だが手術から、1年半で、その痛みは消えた。ツイッターでは、体が慣れてくると、脂ものも食べられるようになるそうだ。

 こういう、悩みを持つ人は多いに違いない。患者会があってもよさそうなものだが、聞いたことがない。

 しかし、健康体を取り戻しつつあるのは、この上なく嬉しい。残った人生を有意義に生きて行こうと思う。


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