「運河の会」東京歌会2015年6月 於)早稲田奉仕園セミナーハウス
「運河の会」東京歌会も、全国集会のため、2か月ぶりの開催となった。全国集会のあとだけに力作が多かったように思う。僕は「星座かまくら歌会」で即詠した作品に手を入れて、出詠した。最後まで迷った部分があったが、やはりそこが批評の対象となった。
「詩人の聲」もそうだが、第三者の目で見てもらい、批評されるのは、作品の練り上げに不可欠だ。
固有名詞がやはり問題となった。表現を凝縮して、抒情を浮き立たせるには固有名詞がマイナスに働くことにもなりかねない。会話体、俗語のバランスにも気になることが多くなった。
結句が唐突になった。語感が悪い。表現が適切でない。作為的になり過ぎるとわざとらしくなる。どの歌会でも言われることは異口同音だ。だがこれらの言葉の多くが、「詩人の聲」で言われる言葉と共通している。
短歌の批評と、現代詩の批評。この共通項が詩歌の批評の普遍性を示している。歌会は「作品批評会」だが、作品の評価の視点が豊かになり、語彙が豊富になる。
「運河」は規約改正で「結社」を名乗るのをやめた。現代詩でいう「同人誌」だが、こういう雑誌に定期的にまとまった量の作品を出詠し、作品批評会に出席するのは、作品の質の向上につながる。
固有名詞の多い歌、日常報告の歌、俗語を無造作に使った歌。こういうものを避けつつ作歌に励みたいと思う。
来月も早稲田奉仕園セミナーハウスで行う。