
古民家を鑑定すると決まって何方かが、「うちの家は、大したことないから・・・」と謙遜します。
でも、100年近く現存していた建物です。そんなことは、ありません。
依頼される方も、口では、そう話しても、何かがある感じて、鑑定の依頼をするのでしょう。
この家は、ウシでできているから、丈夫と言う伝承を教えていただきました。
「ウシ」建築用語で「ウシ」て何か知っていますか?
すぐに屋根の上を見ます。
「ウシはないなあ」
宮崎では、「ウシ」とは、茅葺の千木のことを「ウシ」呼んでいます。
茅葺でないとすると・・・・
小屋裏にはいります。
ウシがいました。
大きなウシです。

桁方向の梁で小屋束を支える梁の下に大きな中敷梁のことを「牛梁」と呼びます。
伝承は、このことだったんですね。

この写真のはわかりますか?
はじめにこの方は、この古民家が「明治に建てられたものだ」と話してくれました。
そうだとすれば、100年以上は経っています。
でも、すぐに気づいたのですが、写真のように火打ち梁が入っています。
和小屋で組まれた家のようですが、中央の小屋組は、明らかに洋組も採用しているのです。
古民家の構造で大凡の年代が、判ります。
昭和中期ごろの民家では、ないでしょうか。
100年は経っていませんが、60年は、経過しています。