LED(発光ダイオード)が第四世代の照明と期待されるのは、さまざまな特徴があるためです。これにより、従来の光源である白熱電球や蛍光灯の多くの課題を解決できることがわかります。
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!!特徴
!低消費電力
LEDは特定の波長の光を出す半導体素子からできています。これは、白熱電球や蛍光灯で特定の波長(色)の光を得ようとするときカラーフィルタを使うのとは異なります。
電力を効率よく光に変換することができ、発熱もしないため、消費電力を低く抑えることができます。
!低発熱
熱の発生をともなわずに発光します。また、赤外線をともなわずに発光するため、対象物を熱によって傷めることがありません。(赤外線LED以外)
!長寿命
素子が壊れることはほぼないと考えられています。また、LEDの発光に必要な周辺回路などの部分の故障を考えても数万時間の点灯が可能です。
!省スペース、小型化が可能
白熱電球や蛍光灯は発熱や破壊の心配があるため、小型化に限界がありました。LEDはそれらの心配が少なく、小型化が可能です。また、電子回路の基板上に電子部品として実装することができ、扱いやすいといえます。
!高指向性(指向性の調節が可能)
LED素子とレンズの形状により指向性を変えることができます。これにより、直上方向に多くの光を出すLEDや、反対に、全方位にまんべんなく光を出すLEDができます。
!多色
LED素子に使う物質を変えることにより様々な色の光を出すことができます。特に、青色発光ダイオードが開発された今では、光の三原色が揃い、原理的にはすべての色を出せるようになりました。
電球や蛍光灯では光源にカラーフィルタをつけて様々な色に光らせることができますが、この場合、透過しない色の光はフィルタに吸収され、効率が良くありません。LEDは、素子から特定の色の光だけが出ます。
!応答が速い
電圧が加えられてから発光するまでの時間が短いです。そのため、LED照明は、電源を入れるとすぐに点灯します。また、高速に点滅することにより通信を行うことができます。
!安価
大量生産により安価に購入できます。ただし、他の技術でも同様ですが、研究段階や新製品の出始めには高価になる場合があります。その場合は需要が高まりやすくなるのを期待します。
!低環境負荷
蛍光灯における水銀のように、有害な物質を使わないため、環境負荷が低いです。
!!課題
多くの長所をもつLEDですが、以下のような未解決の課題があります。今後、解決策(または回避策)が考え出されることでしょう。
!演色性が低い
青色LEDが開発され、これを用いて白色LEDが実現できるようになりました。しかし、安価な白色LEDは、演色性が良くないという欠点があります。
太陽光のようにまんべんなくすべての色の光が含まれておらず(=演色性が低い)、いくつかの色によって、人間の目に白に見えるように作られています。このような光は一見すると白色に見えますが、その光がいろいろな物質にあたって吸収、反射されると、太陽光との差が出てきます。
白色LEDは、青色LED素子と黄色に発光する蛍光体から構成されます。青色LED素子が青色発光すると、その一部が黄色蛍光体を励起して黄色発光します。これらの青と黄色の光で人間の目には白く見えます。
!光源が大きい
小さなLEDの開発が進んでいますが、まだ大きいです。例えば、テレビの画素の一つを光らせることはできません。
!固い
柔軟性がなく、固いです。
!!まとめ
従来の照明である白熱電球や蛍光灯と比較しながらLEDの特徴を説明しました。長所を生かしてさまざまな用途でLEDが使われています。短所を解決する方法、別な技術により回避する方法も盛んに研究されています。LEDでなんでもできるとは、まだ言えませんが、さまざまな用途向けのLEDが開発され、LEDの用途が広がっています。今後は、白熱電球や蛍光灯からの置き換えが進むとともに、LED独自の用途も開発されていくでしょう。将来が楽しみです。