*ウサギのお部屋*

日記・レビューなどなど。
最新日記は数日後に非公開にします。

瀬尾まいこ「夜明けのすべて」(2020)

2024年06月13日 | 
 
こないだ観た映画、北斗さんと萌音ちゃんのやつ、原作を読んでみたの巻。
やはり人気の本なので柔軟剤臭いから離して読みます(笑)

この人の本をもちょっと読んでみようかな? 優しい世界で好き。ほっとする。読みながらふふふってなる。

キャストは結構ハマってたなあと思いながら、あ、このエピソードは、この設定は違うんだねーとか思いながら読んだ。
パニック障害の男性と、PMS(月経前症候群)の女性。同僚の2人の友達でも恋人でもない関係。
それぞれの病気についてもちゃんと分かってるというか、よく取材されてると思うし、辛さも少し理解できるような感じで、それもよかったな。
病気は魂と体がずれてるということで、精神的な病気はあっちの世界との接続がうまくいかないみたいな、最近の知識をもってすると、著者は意図してないと思うけれど、少し思うところはあるかなー。

若い男女2人が一緒にいると、付き合ってるの? 付き合っちゃえよって周りのおばさんたちに言われるってのが、あ、私と一緒だと思った(笑)映画には全くそういうのがなくて、私だけかなって思ってたけど大丈夫だった。一緒にいて楽なのが一番だよー。
この、物語が終わった後の展開として、可能性はあるなって余韻を残しつつ終わるのがいいね。その後のストーリーを想像するのも楽しい。


村岡恵理(責任編集)「村岡花子と赤毛のアンの世界」(2013)

2024年06月11日 | 
 
生誕120周年で出た本。1893-2013
2014年に朝ドラになってるし、これも少しは参考資料になったのかもね。
もう赤毛のアン記念館はなくなってしまってた。行きたかったなあ。

やっぱり、花子がカナダ系の学校に行ってたのは大きい。私もカトリックの学校に行っていたから同じ、何かうれしい。
モンゴメリさんと同年代の先生に教わってきたということ。
そういうところが、改めてすごいなって思う。
今ではいろいろ言われているけれど、最初に日本に紹介したという意味だけでも、とても大きなことだった。
当時、日本には少女向けの読み物がなかった。欧米にはたくさんあって、若草物語とか、パレアナとか、もちろん、モンゴメリね。
「アン・オブ・グリーンゲイブルズ」の翻訳を、戦争中にずっとやってたのもすごい話。
「アン」を最初に出したのが59歳って知って、そうだったんだーと思う。私もこれから活躍するかもしれません!

いろんな人が書いた花子さんとモンゴメリの話や、対談や、花子さんが書いた短編やエッセイなども載ってて、充実した内容と思う。

花子が書いた少女小説かな、独身の伯母が姪を引き取る話。
母方の伯母と、父方の伯父が出てきて、どっちも独身だから、ここくっついちゃう? ってわくわくしてたら、1文でさらっと終わってた(笑)その中身を知りたかったのよー(笑)ってなった。
オーヘンリーの短編もよかった。

最後の、最期の原稿で、ハイハイしてた赤子の恵理さんが、ここで責任編集ってのが、エモいですねー。


モンゴメリ書簡集Ⅰ G.B.マクミランへの手紙(1903-1941)

2024年06月03日 | 
 
Ⅱがいまだに読めてない(多分本が出てない)けど、これをもう一度読んでみる。
返事するまでに数か月かかったり、次の年になっちゃったりしているけれど、こんなに長い期間やり取りしていたのはやっぱりすごいなと思う。
今みたいに簡単にやり取りできる時代じゃないから? のに? 40年も続いていたというからすごいですよね。
結構、深い心情を吐露したりしていて、いろんなことの詳しい事情も教えてくれたりする。

その中でも、やっぱり、故郷(P・E島)への愛はすごいなって思う。
あの美しい場所で育ったからこその、彼女の作品たちだものね。
モンゴメリは自然の描写がすばらしい。
日本人からするとそれは普通のことなんだけれど、欧米人でそれができる人は少ない。

自分の求婚時代が自動車の時代じゃなくてよかったって言ってて、馬車のようなロマンチックさは自動車にはないとか言ってたので、
ミスチルの「車の中でかくれてキスをしよう」(1992)
を思い出してしまった(笑)

従妹で親友のフリードが亡くなった後に、そばにいてほしいとき、もしかしたら本当はそばにいるのかもって思って「実験」する話はすごい!
キリスト教徒、どころか、牧師の妻だったのに、動物に魂があるとか輪廻転生とか言っちゃうところも本当にすごい。

未来には、紙とペンよりいいものがあって、手紙を書こうと思うだけで書けちゃったりするかもね? と言ってる。
紙とペンよりは進化したけど、そこまでは行ってないなあ(笑)と思った。やはり、まめに連絡するかどうかは、その相手によるし、自分のモチベーションにもよるんだものね。

前に読んだときより、書かれたときの年齢を意識したりしてね。ちょうど生まれ年が私と100年違いなので計算しやすいのである。歳を重ねたときの感じを、やっぱり、若い頃に読んだときよりは、自分事として感じてきたというか。
故郷を離れてしまった気持ちもとても分かるしね。。
あの作品を、この歳で書いたのかとかもそうだし、家族の不調なんかもあって。

最後の手紙が、最後の手紙になると予言して、そのとおりになったところとかも、迫ってくるものがある。
2008年に、本当はうつによる自死だったと子孫が発表したことも、読み方に影響している。
出版社との訴訟もあったし、やはり、正負の法則なのかなって思ってしまう。それとも、引き寄せてしまうのかな。因果の法則かな。分からないけれど。
公でもすごく才能があって有名になった人で、私生活でも絶好調で幸せな人生の人っているのかな?


朝倉かすみ「てらさふ」(2014)

2024年05月31日 | 
 
「照らそう」って読むのかな。
表紙の絵から、少女のお話だなって思って読んでみた。朝倉かすみさんの本は最終的には全部読みたいけど、取りあえずこれってものから読んでいこうかな。
小樽のオタモイのただの少女である主人公が、自分はまだ誰にも気づかれてないだけで大物だっていう根拠のない自信を持ってて、もう1人の少女と一緒にそれを形にしていこうと企てる。みたいな話。
自分のウィキペディアの文面を考えるとか、中二っぽくていい感じですよね。
まずは、オタモイって。ってなるね(笑)奥地ですね。

具体的に何をしたのかは、書かないでおきます。
そうきたかってのから始まって、どんどん進んでいって、これは、どのように収束するのだろうかと楽しく読みました。
やっぱり、嘘や秘密はバレるということになっていくのだね。
それから、最初は絶妙にうまくいっていた少女2人のバランスも、だんだん崩れていくのも分かるー。
主人公が思ったより病んでたけどね。

「どこか」に行きたい気持ちをあらわす、呼ぶ音ってのもよかったな。魂の呼ぶ声みたいな感じで。「どこか」が「ここ」だ、「ここ」じゃないって魂レベルで分かる。みたいなのもいいね。

余談は、この後、2017年に裕次郎記念館、もう閉館してしまったのですね。。あるのは知ってたけど行ったことなかったな。
(オタモイから裕次郎記念館のあたりへ行って、、みたいな記述があった)


モンゴメリ「丘の家のジェーン」(1937)

2024年05月29日 | 
 
原題;Jane of Lantern Hill(ランタン丘のジェーン)
新訳・木村由利子(2011)

「グリーンゲイブルズのアン」「ニュームーンのエミリー」と同じタイトルで好き。親がいなかったりして居場所がなかった子供が、居場所を獲得する話、その場所がタイトルになってる。自分はどこどこの誰ですよって言えることの幸せ。
ゲイ・ストリート60番地のジェーンじゃなく、ランタン丘のジェーン。そういうことですよね。

新訳だからなのか、覚えてないだけか、世界線移動??(笑)こんな話だっけ? こんなにたくさん人が出てたっけ? ってなってる。
アンシリーズの小さなエリザベスのエピと混同してるのか、あれ、お母さんはいたんだっけ? みたいな(笑)
また新鮮に読めるからいいね。もう数冊新訳で読んでないのがあるから楽しみ。

最近の知識からすると、3次元 対 5次元っていうふうにも読めるね。
物質界にどっぷりの祖母たち、魂の求める方向に自由に行く子供。みたいな。
この観点から、ほかの作品も読みたいなー。モンゴメリはやはりすばらしい。

今話題の、親権問題にも絡んでくるかもね? 一緒に住んでない親が子供に会う権利みたいな。

ジェーンは泣かないって書いてあるのに私が泣いてた。最初のほうがつらくて。
最後のほうも、すれ違いがつらくてまた泣いてた。
でも、ちゃんと全てぴったり収まるべき場所に収まって、そうあるべきという意味でのハッピーエンドになるので、そういうところも好き。

余談だな。
祖父の名前が、ロバート・ケネディだって! 最近聞く名前ですよねー。
あとは、母の名がロビン!!(笑)