*ウサギのお部屋*

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伊坂 幸太郎「SOSの猿」

2010年07月28日 | 
SOSの猿
伊坂 幸太郎
中央公論新社

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2009年

また、なんの前情報もなく、なんの先入観もなく、物語に身をゆだねる。
一見共通点のなさそうな、ふたつの物語が、同時進行して、ああなってこうなって、みごとにシンクロしていく。
最後にパズルが完成するみたいにすべてがカチっとはまる感じも好き。
やっぱりこの人の本はおもしろいなー。

漫画家さんとのコラボレーション作品らしい。
音楽、映画、この人は、いろんなジャンルの人とコラボしてるなー。
そういう活動はいいと思う。
私もいつかやってみたいと思っているもの。

直接は関係ない内容、瑣末なことだけど、「そうそう!」って思ったこと。
たとえば母親が子供を虐待死させた事件とかで、短絡的に、その母親がすべて悪い、みたいなコメントに疑問を感じるところ。
経済状況、環境、いろんな原因があって、その結果になっているんだと思う。
もちろん、罪を犯した人を擁護するわけではなく。
でも、こういうことを言い出すと、じゃあ、母親は悪くないのか?っていう議論になったりするのも疑問。
どうして、Aが100%悪いか、100%悪くないか、っていうことになるんだろう?
そういうことも、ちゃんと書いてあって、「そうそう!」って思ったのさね。