僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

金田一の活躍

2008-08-25 22:13:54 | Weblog

テレビ朝日Qさま!!を見ました。
「女性の品格」の著書で有名な坂東眞理子さんも出演され、とても品格が漂い、知性溢れる女性でした。ローマ字の大家「ヘボン」の名を当てられ、静寂の漢字も的確に「しじま」と正解なされていました。
それとやはり国語の神様、金田一秀穂は完璧に正解を積み上げていました。
彼は、有名な金田一京助の孫で、国語辞典編纂、監修で名のある金田一春彦を父にもっています。所謂サラブレッドですね。国語だけでなく、歴史、英語にも精通されているようです。
金田一という苗字はそのルーツが南部氏族四戸氏の分流に属し、天正19年の九戸合戦の後、武田彦三郎が金田一村に領地を賜って金田一を名乗るようになったそうです。
金田一秀穂さんが正解された問題です。
次の漢字の読みを答えよ。
① 云云 (「し」からはじまる言葉)
② 生長 (「お」からはじまる言葉)











答え    ① しかじか
      ② おいさき

長野県接待

2008-08-25 01:05:34 | Weblog
長野県の長和町には「接待」という地名があり、その名がついたいきさつには心温まるいい話があります。江戸時代、中山道には69の宿場がありました。このうち信濃には碓氷峠を越えて軽井沢宿から入国し、木曽の馬籠宿から美濃に出ます。このあいだには26宿あり、幕府は平均2里に一宿おきました。ところが、和田宿と下諏訪宿のあいだには5里以上の長い距離があり加えて両宿のあいだには、和田峠という、非常に険しく、降雪量もも多い街道一の難所でした。

1828年、和田宿の問屋、源右衛門ら8人が、江戸の道中奉行所に嘆願書を出しました。そこには訳すと「和田峠が難所であることを聞いた江戸の呉服屋・加瀬屋與兵衛が、施行所をもうけたいと申し出ていたが、適当な場所を見つけたので設置許可を願いた」とありました。翌月には與兵衛本人からも嘆願書が出されています。それを訳すと「與兵衛は江戸で商売に成功し大金を持つようになったので、幕府に1000両貸すから、その毎年の利子100両で施行所を運営してほしい」というものでした。

当時、街道の宿は、幕府の直轄下だった為、正規の宿場以外は禁じられていたが、宿と宿の距離が長い難所などでは、このような施設がおかれていました。この事からこの辺りは「接待」と呼ばれるようになったのです。1851年には山崩れで流失したが翌年には再建され1870年まで存続したということです。


22才の別れ 葉見ず花見ず物語

2008-08-25 00:39:06 | Weblog
今日、スカパーで「22才の別れ 葉見ず花見ず物語」を見ました。
『なごり雪』に続く大林宣彦・大分三部作の第二弾。

伊勢正三の「22才の別れ」をモチーフに描く、母娘二代にわたるあまりに切ない日本の恋の物語 です。

本作は、尾道三部作に続き大分を舞台とした三部作の第二弾。
福岡と大分県の大分、津久見、臼杵といった街々を背景に描く、30年あまりの激動の時代の中で日本人が失ってきた人の心の思いへの哀切な叙事詩。
時代を隔てた親と子を期待の新人・鈴木聖奈と中村美玲が瑞々しく演じ、スクリーンデビューを飾っています。
主人公を演じるのは映画、テレビ、舞台など、幅広いフィールドで圧倒的な存在感を見せている筧利夫。
競演に『うなぎ』『赤い橋の下のぬるい水』で各賞を受賞している演技派・清水美砂、そして脇を長門裕之、南田洋子、三浦友利、峰岸徹、村田雄浩など、大林映画ゆかりのヴェテラン陣がきっちりと固めています。

監督・脚本・編集を手がけたのは、日本を代表する映画作家・大林宣彦。
幻想的な映画美で二つの時代を流麗に描き分け、主人公たちの心の悲哀を見事なまでに表現。
円熟の境地を見せています。


≪あらすじ≫
人生の岐路に立った主人公が偶然出会った少女は、昔別れた恋人を思い出させるなにかを持っていた…。

福岡市の商社に勤める川野俊郎(筧利夫)は1960年代生まれの44歳。
社内には煮え切らない関係を続ける37歳の有美(清水美砂)がいるが、お互いに一歩を踏み出す勇気はないのです。
ある日、ずぶ濡れで駆け込んだコンビニのレジで「22才の別れ」を口ずさむ少女、花鈴(鈴木聖奈)に出逢います。

ふとしたことから親しくなった俊郎は、コンビニを辞めた花鈴にいきなり「援交して」と言われ戸惑うが、なにか不思議な縁を感じ、放っておくことができず家に招き入れます。
しかし花鈴の身上を聞いた俊郎は信じられない事実に衝撃を受けます。
それは、かつて22才の誕生日に別れた恋人、葉子(中村美玲)にまつわることだったのです…。

俊郎の過去の思い出を引きずる姿が自分に重なって、妙に親近感を覚えました。

「あの頃葉子は重かった。葉子にまとわりつく何かが重かった」

「ずっと自分は幻を追いかけてきた。追わなかったから幻になったのか。」
俊郎の意味深長なな言葉が印象に残りました。
バックに「22才の別れ」がところどころに流れ、その懐かしくも哀しい旋律に涙が出そうになりました。
彼岸花の赤の演出も見事で、花が咲くときには葉が出ておらず、葉が出たときには花は散っているという説明もまるで俊郎の人生のようで暗示的でした。
毒にも薬にもなる曼珠沙華(彼岸花)、その凛とした姿はミステリアスで、葉子にも、そしてその娘花鈴にも似ていました。