みちのく三大さくら名所の一つ、岩手県の北上展勝地桜祭りに出かけた。
抜けるような青空のもと我々は躍動した。
北上川を渡る連なる鯉のぼりが空気を吸い込む。
鯉が龍になり昇る
桜花爛漫
焼石岳か 美しい
川沿いにある「沈流亭」で昼食、特上天丼を食べる。
夏目漱石のペンネームの由来、漱石沈流からとった店名かな?
やわらかに 柳あをめる 北上の 岸辺にみゆ 泣けとごとくに
あまりにも有名な啄木の詠った歌の北上川は東北で最も長い河川である。
都会に疲れた啄木は、故郷渋民村の北上川の岸辺に見える色づいた柳
、ないし源風景に心慰められるのである。
室生犀星も「小景異情」の中で小京都「金沢」を思い出しては
帰るところではないが、帰りたいと吐露している。
また承久の乱の責任をとり佐渡に流された順徳天皇は、「野菊」を見つけて
都への望郷の念を癒した。
とかく男子というものは感傷的というかナイーブというか女々しい動物である。