北上展勝地を後にして一行は厳美渓へ。
幸田露伴は自らの紀行文で厳美渓の印象を次のように述べている。
『淵の蒼き、岩の奇なる、殊更岩の上に老松幾株翠を擬 せる、水の幾羽にも分かれて流るる』
まさしく奇岩ごろごろ、瀬の水しぶきと淵のコバルトブルーやエメラルドグリーンの対比も面白い。
空飛ぶ団子にも遭遇した。
東屋と店(郭公だんご)をワイヤーロープでつなぎ、籠に400円入れ合図の板を叩く。
さすれば対岸の店から手動でするすると団子と茶が下りてくるのだ。
お茶は奇跡的にこぼれず、団子は餡、胡麻、みたらしの三種類でワンセット。
団子はいずれも柔らかくとても美味しい。
そぞろ歩くと道々の花々も可愛い。