昨日は今年最初の就学相談会でした。
参加者は70名余り。
県内だけでなく、東京、神奈川、福島の方も来られていました。
相談会の帰りに、改めて思ったのは、
25年で100回以上の相談会で、1000人は超える親子と向かい合ってきて、
子どもの「障害」や「病気」そのものに係る「相談」は医療的ケアなどごくわずかであって、99.9%は「親の不安」の相談なんだなということです。
そして、その親の不安は、「わが子に障害があること」ではなく、「この子を受け入れてくれる先生や学校は本当にあるのか」ということであり、それは「親自身が身につけている常識」で、わが子の就学を考えるからでした。
そして、その「親の常識」は、かつて私もちゃんと身につけて大人になった「常識」と同じものでした。
そこまで考えたとき、こんな文章が浮かびました。
私は、このことを知りたくて、そのための方法や知識を知りたくて、
そのために生きてきたんだなと思います。
◇
この子たちの安心のためなら、私は私の常識を疑う。
6歳の子どもの就学について話をきくとき、その不安のほとんどは、子どもの「障害」や「病気」そのものではなく、「私たちの常識」だと気づく。
私たちの常識。
学校の先生も、教育委員会の相談員も、同じ学校の保護者もきっとそう思うに違いないと考える「常識」を予想して、親たちは不安や迷いを抱く。
親になった人たちのほとんど全員が、その常識を予想することができる。
この私の常識が、この子を生きにくくさせているのなら、私は私の常識を疑う。
だってその常識は、この子が生まれるずっと前に作られたものだから。
だって私の常識は、この子に出会う前に身につけたものだから。
私の常識に、この子がいない、なら、私は私の常識を疑う。
だって私はこの子のいない世界に住みたいとはこれっぽっちも思わないから。
私は、私とこの子が安心して暮らせる常識、学べる常識、仲間と出会える常識を作りたい。
この子に障害があるとしても、安心して障害のある自分の人生を生きてほしいと思うから。
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