第二話 《不可能だった7つの贈りもの》
子どもがどこにいても必要だと思う、「7つの贈りもの」をあげてみました。
子どもに贈りたいものは、他にもたくさんあるでしょう。
それでも、この7つの中に「いらない」ものはありません。
性別や国籍にかかわらず、障害や病気にかかわらず、施設で暮らす子にとっても大切なもの。どの学校、どの学級にいても必要なもの。
《1》家族と一緒に暮らすこと。
《2》友だち・仲間。
《3》義務教育保障。
《4》合理的配慮。
《5》コミュニケーション能力。
《6》レジリエンス能力。(安心・自信・自由の回復力)
《7》この子が主人公の人生。
今では、どの子にも必要なものと認められつつありますが、私が子どものころは違っていました。
「教育不可能」「教育対象外」という言葉があり、障害児には学校も教育も必要ないと思われていました。
「小学校さえ必要ない子」と扱われた時代に、親子であきらめさせられたものは何だったか。
それが7つの贈りものすべてでした。
7つの贈りものが全部ない人生とはどのようなものか。
次のような記事がそれを示しています。
【最長20年、施錠した居室に障害者を閉じ込め 鳥取市の支援施設
2016.6.15 産経新聞
鳥取県は15日、鳥取市の障害者支援施設「県立鹿野かちみ園」が、知的障害などのある女性入所者3人に対し、最長約20年にわたり、食事時などを除いて施錠した居室に閉じ込めていたと発表した。県は虐待と判断し、同園に対して施錠の中止と、再発防止策の報告などを指示した。県によると、虐待を受けたのは知的障害のある40代女性2人、行動障害のある60代女性1人。】
「60代女性」とだけ書かれた一人の人の人生。私より少し年上だから、約3万人の子どもが「就学猶予・免除」とされ、学校に行けないのが当たり前だった時代に、子ども時代を過ごした人。
◇
《不可能なんかじゃなかった》
すべての子どもに義務教育が保障されるようになって41年。
「教育も学校も必要ない子」という考えを持つ人はいなくなりました。
教育はすべての子どもに大切なものであること。
障害のある子が必要としているものは、すべての子どもが必要としているものと何ら変わらないということ。
どの子にも、「7つの贈りもの」が可能だということ。誰もそれを否定できない時代になりつつあります。
今、私たちの就学相談会で伝えたいことは、何か。
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