「就学相談会」から「子どもへの贈り物」説明会へ(2)
「子どもへの贈り物」説明会は、子どもの「障害」を直すとか発達させる話ではない。
「障害」は、子どもに「自分は誰とも違う子ども」だという怖れを植えつけるものの一つに過ぎないという話。
それが、自分の身に起こることであると「障害児」とか「ダウン症児」とか呼ばれて、「ふつうの子ども」扱いから遠ざかる。
あるいは、「きょうだい」という身で、障害による疎外という「怖れ」を植えつけられ、そのことを「誰にも話せない」という怖れに閉じ込められる子もいる。
そのとき、障害は「きっかけ」であって、「原因」ではない。
「ボーイズクリニック」という本には、「通常ではありえないような経験をくぐりぬけてきた子どもが、自分のことを平凡な普通の少年として受け入れることができるようになるためには、周囲の人々からの大いなるサポートが必要である」と書かれている。
「性的虐待を受けた少年が、ほかの少年たちがするのと同じようなこと、水泳をしたり、自転車に乗ったり、サッカーをしたりといったことができるようになることも重要である。また、時計の読み方や靴ひもの結び方なども学ばねばならない。」
「他の子どもがするのと同じこと」も重要であり、「時計の読み方」も学ばなければならないのだ。
「時計の読み方」のために、「他の子と同じ生活」を「なしにする」と、何か「重要」なこともなくなってしまう。
「きょうだいとふつう学級のこと」も、この本にはちゃんと書かれている。
「当事者の少年だけでなく、少年の周囲にいる人々もまた、あらゆる問題の原因を、虐待に帰してしまう危険にさらされている。」
虐待を「障害」に変えて読めば、「きょうだい」が誰にも言えずに抱えている孤独の元が何かがみえてくる。それは「きょうだい」の障害ではない。(梅村さんの動画にもそのことが語られていた)
「…(性的虐待という)異常な経験をしたとしても、良い生活を送り、普通の少年としての感情をもつことができる。こうした希望をもつことが重要なのだ。」
このことは、ふつう学級であれ、特別支援学級であれ、子どものいる場所の大人はみんな知っておいた方がいい。私自身ももっと早く知っていれば、とおもう場面がいくつもある
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