《45分とふつう学級の話・前編》
□
目の前を猛スピードの車が通りすぎる時、あなたはどう感じる?
《A=危ない! B=とくに何も感じない C=もっと早く!》
「猛スピードってどれくらい? それによって答えも変わるでしょ」
そうだね。じゃあ時速200キロなら?
「どこを走ってるの? それによって答えも変わるよ」
そうだね。じゃあ通学路なら?
「危ない、危ない、絶対危ない!」
じゃあ、サーキットなら?
それなら大丈夫、かな。
□
同じ速さでも、環境が違えば、感じ方も違う。
で、「45分座っていられますか?」は、何の話だった?
「45分座っていない子」は、環境を変えた方がいい?
サーキットなら、45分座ってなくても大丈夫?!
でもさ、サーキットは環境だけじゃなく、求められるタスクも変わるよね。
サーキットでのタスクは、「より早く、もっと早く」。
通学路でのタスクは、「よりゆっくり、もっと慎重に」。
環境を変えれば、向かい合うものも変わる。
求められるタスクが変われば、身につくものはまったく別のものになる。
そのことについて、もっとちゃんと語るべきだよね。
(つづく)